117クーペ、後期角目にDOHC+ソレックスツインの快音【3】1976年式 いすゞ 117クーペ 1800XC-J

ボディは何度か塗り直されているが、現オーナーの購入前に、XC-Jのイメージカラーであった朱色に近い赤のクリムソンレッドで再塗装された

       
いすゞの名車117クーペは、高い完成度と上品さがあり、下手なモデファイではバランスが崩れてしまう。そんな117のバランスを守りつつ、エンジンをDOHCにスワップしオリジリティのある外観とした、大胆な「楽しめる」117クーペが誕生した。

【 1976年式 いすゞ 117クーペ 1800XC-J Vol.3】

【2】から続く


 また、燃料噴射装置はECGIではなく、ソレックスのツインキャブを選択。この組み合わせは規制対応前のXGに相当する。さらに足回りも強化し、走行面においては「XG仕様」とも呼べる仕上がりとなっている。

 ベースになったXC‐Jはそもそも、ベーシックなXCに走りを楽しむという意味でJoyの頭文字が追加されたグレード名称だ。しかし、XCとの違いはデザイン面が中心で、走行性能にかかわる部分は、幅広タイヤ+アルミホイールが標準装備される程度だった。しかし、DOHC+ソレックスツインで快音を響かせながら走れるこの個体は、本当の意味での走る「楽しみ」を手に入れたといっていいだろう。

 エンジンと足回り以外のモディファイはシンプルで、高速や峠道から街乗りまで幅広く楽しめる仕上がり。オーナーも、雨さえ降らなければ都内への通勤にも使うというほど、日常的に楽しめるクーペなのだ。現在も、イスズスポーツと相談しながら徐々にカスタマイズを進めているそうで、完成形を見る日が楽しみだ。


>> 【画像25枚】DOHCを示す赤い結晶塗装で塗られているヘッドカバーなど



>> 本来は排ガス規制に対応するためにECGIとなっているが、ソレックスの2連キャブレターとすることで、規制前のフィーリングを取り戻している。


OWNER

旧車の個性と不変な所にひかれたというオーナー。ベレットを見てみようと訪れたイスズスポーツで117に試乗し、感性に訴えかけるような走りに一瞬でとりこに。それまで多くの趣味グルマを乗り継いできたが、運命的に出合った117には一生乗り続ける決心をしている。


ISUZU SPORTS
都内や関東のみならず、いすゞ車といえばまず名前の挙がるショップがイスズスポーツだ。最近では、117の素性の良さを維持したまま、メーカーが行ってもおかしくないような形でのカスタマイズを積極的に提案。旧車の価値を高めつつ、裾野を広げている。旧車を乗り始めたいという時にも、相談しやすいショップだ。



イスズスポーツ
〒205-0013
東京都羽村市富士見平2-2-1
TEL0800–800–4117 FAX042-570-2161
http://www.isuzu-sports.com/
営業時間:10:00-19:00 定休日:火曜


1976年式 いすゞ 117クーペ 1800XC-J(PA95SJ)

SPECIFICATION 諸元
エンジン:G180W型にスワップ(水冷直列4気筒DOHC、125ps / 6400rpm、16.5kg-m / 5000rpm)
吸気系:ソレックスPHH
排気系:ワンオフタコ足 / マフラー(ともに藤壺製)
エクステリア:ボディサイドにストライプ+オリジナルエンブレムデカール、フェンダーミラー前期型に換装
電装系::ヒューズボックス変更、LED / リレー系統等の最適化
サスペンション:ISPオリジナルダウンサスキット、フロントISP軽量強化スタビライザー、KONI製ショックアブソーバー
インテリア:メーター本体パネルを赤色塗装、シート前後とも赤 / 黒の2トーンに張り替え
ステアリング:ナルディ スポーツタイプAパンチングレザー・レッドステッチ
タイヤ:グッドイヤーGTエコステージ 前後とも165 / 70R14
ホイール: ハヤシレーシング テクノレーシング 前後とも14×6.5J

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年6月号 vol.187
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1976年式 いすゞ 117クーペ 1800XC-J(全3記事)

関連記事:HOT CLASSIX

関連記事:117クーペ



【1】【2】から続く

text:NOSTALGIC HERO/編集部 photo:MAKOTO INOUE/井上誠

RECOMMENDED

RELATED

RANKING