子供時代の思い出。かつての117クーペの姿に。父親が乗っていたオリジナルにこだわったレストア|1974年式 いすゞ 117クーペXG【2】

エンジンにも完ぺきなオーバーホールを実施済み。ヘッドカバーなども純正色で塗り直し、非常に美しい仕上がり。

       

 
【1】より続く

 
ノスタルジックカーストーリー


【父親から娘へ受け継いだ117クーペ 1974年式 いすゞ 117クーペXG vol.2】

 子供の頃に触れたクルマは、一生のクルマ趣味を左右することも少なくない。特に親の乗っていたクルマは、子供時代の思い出と共に存在している。そんな思い出のクルマに、今も乗り続けるオーナーを紹介しよう。

 そのようにして乗り続けてきた117だが、数年前から各部で不具合が相次ぎ、一時は手放すことも考えたという。しかし、鈴の音クラブ117というオーナーズクラブと出合ったことで維持の目処が付き、さらにそこでイスズスポーツの岡根浩二社長と出会ったことから、レストアを決意。

 レストアメニューはエンジンのオーバーホールからボディの全塗装まで、あらゆる場所にわたっており、まさにフルレストアだ。ただし、ある物はなるべくそれを生かして磨き込んだほうが味が出る、という岡根社長のポリシーによって、エンブレム等は磨き直して再装着しており、これまで経てきた歴史を維持しつつ、各部をリフレッシュしている。

 そんなレストアにおいてオーナーがこだわったのが、かつての姿をきちんと取り戻すこと。例えば、エンジンのヘッドカバーも緑の結晶塗装で塗り直しているが、このえさん自身の好みで言えばグリーン以外の色にしたかったという。しかしオリジナルのヘッドカバーの色に合わせることを優先しているのだ。

 ただし、普段のドライビングが大変になっては意味がないので、不調になりやすい純正のSUツインキャブレターはウエーバーのφ40mmに交換し、同時にハーネス類などの電装系を強化している。

【画像24枚】かつての姿を取り戻すべくレストアされた1974年式 いすゞ 117クーペXG


>>ステアリングホイールはナルディの3本スポークに変更。

>>キャブレターは純正のSUツインキャブレターからソレックスツインに変更している。

>>マフラーは藤壷製のステンレスマフラーに交換。デュアルマフラーに以前からあこがれていたという。

1974年式 いすゞ 117クーペ XG


全長4310mm
全幅1600mm
全高1320mm
ホイールベース2500mm
トレッド前/後1325mm/1320mm
最低地上高180mm
室内長1675mm
室内幅1290mm
室内高1070mm
車両重量1335kg
乗車定員4名
登坂能力tanθ0.52
最小回転半径5.2m
エンジン型式G180W型
エンジン種類水冷直列4気筒DOHC
総排気量1817cc
ボア×ストローク84mm×82mm圧縮比 9.7:1
最高出力125ps/6400rpm
最大トルク16.2kg-m/5000rpm
変速比1速3.207/2速1.989/3速1.356/4速1.000/後退3.592
最終減速比4.100
燃料タンク容量56L
ステアリング形式ボールスクリュー式
サスペンション前/後 コイルスプリング式独立懸架ダブルウイッシュボーン/半楕円形リーフスプリング(トルクロッド付)
ブレーキ前後ともディスクブレーキ
タイヤ前後とも6.45-14-4PR
発売当時価格167.7万円

【3】へ続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年2月号 vol.191
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1974年式 いすゞ 117クーペ XG(全3記事)

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photo:Ryota Sato/佐藤亮太

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