ピアノと117クーペの並ぶガレージ。1年半のレストアを経て、あの頃の姿へ|1974年式 いすゞ 117クーペXG【3】

117と並ぶクラシックピアノは、Grotrian-Steinweg(グロトリアン スタインウェヒ)で、製造から100年以上経っている、117クーペの大先輩だ。117を大事に維持しているこのえさんの姿を見たピアノの前オーナーが、この人ならクラシックピアノも大事にしてくれるだろう、ということで譲ってもらったものだという。

       

【2】より続く

ノスタルジックカーストーリー

 子供の頃に触れたクルマは、一生のクルマ趣味を左右することも少なくない。特に親の乗っていたクルマは、子供時代の思い出と共に存在 している。そんな思い出のクルマに、今も乗り続けるオーナーを紹介しよう。

【父親から娘へ受け継いだ117クーペ 1974年式 いすゞ 117クーペXG vol.2】


およそ1年半にわたるレストアを経て、18年2月についに完成し、オーナーの待つガレージへと戻ってきた117クーペ。
この117クーペで一番ユニークなのが、その保管場所だ。オーナーは、自宅の1階で音楽教室を開いているが、その教室部分と同じ空間の一角に、117クーペが見事に収まっているのだ。65ページの写真を見てもらえば分かるように、見事に「絵になる」ガレージ(?)となっているのだ。

 普段はブラインドで区切られているとはいえ、クラシックピアノとクラシックカーが並んで置かれている家は、なかなか見られないだろう。117クーペとピアノ、そして家族と、オーナーが愛するものに囲まれる空間で、こころなしか117も幸せそうな姿に見えた。

【画像24枚】1年半にわたるレストアを経て、オーナーの待つガレージへと戻った1974年式 いすゞ 117クーペXG 



>>117と並ぶクラシックピアノは、Grotrian-Steinweg(グロトリアン スタインウェヒ)で、製造から100年以上経っている、117クーペの大先輩だ。117を大事に維持しているこのえさんの姿を見たピアノの前オーナーが、この人ならクラシックピアノも大事にしてくれるだろう、ということで譲ってもらったものだという。

>>イスズスポーツにおけるレストアの記録。エンジン及び内外装のほとんどのパーツを取り外してそれぞれの修理やオーバーホールを開始。写真では見られないが、サビ落ちたボディの各部も板金で修復している。

>>購入後10年を迎えたタイミングで、この個体が誕生した、いすゞの藤沢工場へ里帰りして撮影した写真。記念に額装されている。

Owner/子どもの頃から一緒の117とこれからも過ごしていきたい


40年以上にわたって、オーナーが子供の頃からずっと一緒だった117クーペ。今回フルレストアを実行したことで、さらに長く過ごせることになった。ご主人(写真右)もとても協力的なので、「これからもずっと一緒にいられるよう、大事に乗っていきます」と語ってくれた。



1974年式 いすゞ 117クーペ XG


全長4310mm
全幅1600mm
全高1320mm
ホイールベース2500mm
トレッド前/後1325mm/1320mm
最低地上高180mm
室内長1675mm
室内幅1290mm
室内高1070mm
車両重量1335kg
乗車定員4名
登坂能力tanθ0.52
最小回転半径5.2m
エンジン型式G180W型
エンジン種類水冷直列4気筒DOHC
総排気量1817cc
ボア×ストローク84mm×82mm圧縮比 9.7:1
最高出力125ps/6400rpm
最大トルク16.2kg-m/5000rpm
変速比1速3.207/2速1.989/3速1.356/4速1.000/後退3.592
最終減速比4.100
燃料タンク容量56L
ステアリング形式ボールスクリュー式
サスペンション前/後 コイルスプリング式独立懸架ダブルウイッシュボーン/半楕円形リーフスプリング(トルクロッド付)
ブレーキ前後ともディスクブレーキ
タイヤ前後とも6.45-14-4PR
発売当時価格167.7万円

【1】【2】から続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年2月号 vol.191
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1974年式 いすゞ 117クーペ XG(全3記事)

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photo:Ryota Sato/佐藤亮太

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