1981年のデビューから1年後、そのステアリングに「TWINCAM TURBO」の文字が踊る時がやってきた【2】1983年式 トヨタ セリカ クーペ 1800GT-T

蛍光管表示式のエレクトロニックディスプレイメーターは、オプション設定されていたもの。燃料計は15L以下になると、約1L刻みの拡大表示もできる

       
【 1983年式 トヨタ セリカ クーペ 1800GT-T Vol.2】

【1】から続く


 1981年にデビューした3代目となるA63セリカ。当初は、2.0Lの18R-G型、1.6Lの2T-G型という2つのツインカムユニットのほか、1.8L OHV・EFIの3T-E型と1.8L SOHCの1S-U型という4種のエンジンラインナップでスタート。しかし、1年足らずで新エンジンが追加された。それが、国産車初のツインカムターボである3T-GT型である。このユニットは、既存の3T-E型をベースに新設計のツインカムヘッドを搭載。1気筒2プラグ方式や2段配電式ディストリビューターを採用し、燃焼効率をアップ。さらに、運転状況に応じた最適な点火タイミングに制御するノックコントロールシステムなどにより、高い経済性も実現した。そして、トヨタ内製のCT20タービンを組み合わせることでハイパワーを手に入れたのだ。加えて、サーモバルブ付きターボチャージャー専用オイルクーラーを装備してタービンを常に最適なコンディションに保ち、ターボの性能をフルに発揮できるようにする工夫も施されている。

 その後、3T-GT型のボアを0.5mm拡大し、排気量を1791ccとした4T-GT型も登場。これはモータースポーツへの参戦を目的として200台限定で販売された「セリカ1800GT-TS」用に開発されたもので、実際のレースシーンではセリカのグループB仕様のほか、グループCカーにも搭載され、幅広く活躍した。


>> 【画像18枚】国産車初のツインカムターボを採用した3T-GT型エンジンが搭載されたエンジンルームなど。2プラグ方式のため、8本のプラグコードや2段配電式ディストリビューターが特徴的



>> 直線基調のダッシュボードは、助手席側をなだらかに傾斜させて開放感を演出。ステアリングには「TWINCAM TURBO」の文字が入る。






>> ミッションは5速MTのほか、4速ATもラインナップ。取材車両には、純正のラジオ&カセットが装着されていた。




1983年式 トヨタ セリカ クーペ 1800GT-T(TA63)


SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4435×1665×1320
ホイールベース(mm)  2500
トレッド前/後(mm) 1395/1385
車両重量(kg)  1145
エンジン型式  3T-GTEU型
エンジン種類 直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1770
ボア×ストローク(mm) 85.0×78.0
圧縮比 7.8:1
最高出力(ps/rpm) 160/6000
最大トルク(kg-m/rpm) 21.0/4800
変速比 1速3.566/2速2.056/3速1.384/
4速1.000/5速0.850/後退4.091
最終減速比 4.100
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスクs
タイヤ 185/70R14(前後とも)
発売当時価格 179.0万円


【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 7月号 vol.36
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 トヨタ セリカ クーペ 1800GT-T(全3記事)

関連記事:ターボ車クロニクル

関連記事:ターボ

関連記事:セリカ


【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : YOSHITAKA TAKAHARA/高原義卓

RECOMMENDED

RELATED

RANKING