日本初のツインカムターボ! DOHCとターボが織り成す、ダブルファンタジー【1】1983年式 トヨタ セリカ クーペ 1800GT-T

こちらがライトを点灯した状態。前端を支点に、ライトユニットが90度まで持ち上がるのだ

       
【 1983年式 トヨタ セリカ クーペ 1800GT-T Vol.1】

 1980年代に一気に普及したターボとツインカム。排ガスでタービンを回し、高圧で吸入空気をエンジンに押し込むターボは、手軽にパワーを出すことができる。一方、その名の通りシリンダーヘッド部分に2本のカムシャフトを持つツインカムは、吸気バルブと排気バルブをそれぞれのカムシャフトで直接作動させるため、高回転に強く、優れたレスポンスを得ることが可能。これら2つのメリットを組み合わせた夢のようなエンジンが、ツインカムターボだ。1970年代までの国産車では皆無だったが、トヨタが他メーカーに先駆けて3T-GT型を発表。ここで登場するA63セリカも、その珠玉のユニットを搭載した1台である。

 3代目となるA63セリカは1981年にデビュー。ボディバリエーションはクーペとリフトバックを設定し、シャープな直線基調のスタイリングを採用。ライトオンでポップアップするライズアップ・ライトが特徴的で、0.34(リフトバック)/0.38(クーペ)という当時世界トップクラスの空気抵抗値にも大きく貢献していた。

>> 【画像18枚】この個体が装着するのはオプションとなるアルミホイール。当時のセットオプションでは、BSポテンザRE86を採用していた



>> スラントしたノーズに斬新なライズアップ・ヘッドライトをビルトインしたフロントマスク。後期では完全なリトラクタブル式に変更され、「ブラックマスク」の愛称で今も親しまれている。





>> 「TWINCAM turbo」のステッカーとともに、ボディサイドの特徴となっている横開き式ドアノブ。後期では一般的なノブに変更された。





>> 強烈なサイドのキャラクターラインや屈強なCピラー、逆ハの字のコンビランプなど、各部のディテールはじつに個性的。なお、2トーンボディカラーはオプションだった。


1983年式 トヨタ セリカ クーペ 1800GT-T(TA63)


SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4435×1665×1320
ホイールベース(mm)  2500
トレッド前/後(mm) 1395/1385
車両重量(kg)  1145
エンジン型式  3T-GTEU型
エンジン種類 直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1770
ボア×ストローク(mm) 85.0×78.0
圧縮比 7.8:1
最高出力(ps/rpm) 160/6000
最大トルク(kg-m/rpm) 21.0/4800
変速比 1速3.566/2速2.056/3速1.384/
4速1.000/5速0.850/後退4.091
最終減速比 4.100
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスクs
タイヤ 185/70R14(前後とも)
発売当時価格 179.0万円


【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 7月号 vol.36
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 トヨタ セリカ クーペ 1800GT-T(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : YOSHITAKA TAKAHARA/高原義卓

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