荒天のスポーツ走行枠。オーバーシーラン唯一の走行車両はレアなBMW1600【3】JCCA エンデュランス筑波2017

荒天とは裏腹に波乱のない展開 表彰台はいつもの「常連」メンバー

       
【イベント振り返り2017年 JCCAクラシックカーフェスティバル エンデュランス筑波ミーティング2017 Vol.3】

【2】から続く

P RACE



>> Pレースの覇者小菅ポルシェ911 2.2。


 全参加台数は10台と少し物足りない顔ぶれとなったPレースは、雨足の激しくならない時間帯、決勝の第1レースとして行われた。レースはとくに大きなアクシデントもなくいつもの上位陣、小菅隆志ポルシェ911、深江伯史ポルシェ914-6、菅谷和浩ロータス・ヨーロッパ、佐藤優フェアレディ240Zの4台によって争われた。この4台、実は予選グリッド上位4台の順だが、そのまま決勝レースの結果となった。唯一変化があったのは、決勝レースの終盤で3番手を争う菅谷ロータスと佐藤240Zの間で攻防戦が繰り広げられたことで、いったんは菅谷をパスすることにした佐藤だったが、最終ラップの80Rで佐藤がスピン。これで菅谷が再び前に出て、結果の上からは予選グリッド順どおりにチェッカーを受けるかたちになった。



>> 【画像47枚】スポーツ走行枠となる日本車対象のジャパンランと輸入車対象のオーバーシーランの走行シーンなど

TS-CUP & HISTORIC FORMULA


走行困難と自主棄権のフォーミュラ。レース続行不可と判断されたTS-CUP

 荒天のため中止となったヒストリック・フォーミュラとTS-CUPは、それぞれこの日の第5レースと最終第6レースという終盤のタイムスケジュールだったが、中止に至る経緯はかなり異なっていた。ヒストリック・フォーミュラは午前中の予選を終えた段階で走行がかなり困難であることを確認。量産車系とは異なってかなり車重が軽く、逆にそれに対するタイヤ幅が相当広いことから接地面圧は極端に低くなり、低μ路面での走りがきわめて不安定な状態となる。予選でこうした状態を確認した上で、さらにコンディションの悪化が予想される午後の決勝は到底走れないと判断し、エントラント側の総意、決定として棄権を申し出たものだった。一方のTS-CUPは、一応レインタイヤも準備され、ドライバー技量もそれなりのレベルにあるクラスだが、悪化の一途をたどる天候とコース状況を考慮し、決勝開始直前の臨時ブリーフィングでドライバー/チームの合意のもと、主催者側による中止が決定。2度の赤旗中断となったFレースの状態が判断材料になっていた。





JAPAN RUN 1 and 2 & OVER SEA RUN


オーバーシーラン唯一走行のBMW1600。大切な趣味車をいたわり参加回避?それでも元気だった国産チューニング車

 スポーツ走行枠となる日本車対象のジャパンランと輸入車対象のオーバーシーランは、レースと異なり趣味性の要素が色濃くなり、それだけに天候に左右される場合が多くなる。今回は、ジャパンラン1が参加予定28台に対し実際の出走は18台、同じくジャパンラン2は27台に対して19台、オーバーシーランの場合は非常に極端なかたちとなり27台に対してわずか1台という状況だった。やはり、大切に管理している貴重なクルマに万が一のことがあってはいけない、との配慮によるものだろうが、とくにいろいろな意味で希少性が高い輸入車の場合はなおさらのことだ。しかし、その一方で、ジャパンラン1と2を合わせて45台も参加した、という言い方もできた。決して走って快適なコンディションでないにもかかわらず、持ちタイムの速いジャパンラン2のグループでは1分21秒台のタイムが記録されていた。また、たった1台による占有走行ととなったオーバーシーランの車両はBMW1600と、2000系ではない貴重なモデルだったことを付け加えておきたい。




>> 【画像47枚】スポーツ走行枠となる日本車対象のジャパンランと輸入車対象のオーバーシーランの走行シーンなど



初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

JCCAクラシックカーフェスティバル エンデュランス筑波ミーティング2017(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : AKIO SATO/佐藤アキオ photo : RYOTA SATO/佐藤亮太

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