役場の車庫の奥に眠っていた実走行わずか数百kmのL40キャリイ 〜2016〜|1970年式 スズキ キャリイ スタンダード

わずかな走行距離のまま車庫に保管し続けられていたL40キャリイ。

       
大阪の町役場で新車で購入されたが、時代の流れとともに使われることがなくなり、わずかな走行距離のまま車庫に保管し続けられていたL40キャリイ。各地をまわり、希少な旧車を保護する全日本保護指定旧車協会メンバーが、この奇跡的な軽トラックを紹介。

【1970年式 スズキ キャリイ スタンダード Vol.1】

 子供の頃、自宅にあったクルマによって、意外なほど人生は左右される。特に旧車乗りにとっては顕著で、なんてことはないただの中古車に、なぜこんなに引かれるのだろうと思い返してみると、幼少期に実家で使っていたクルマだったりするのだ。しかし、そのイメージはいいものばかりではない。

▶▶▶【画像30枚】注目すべきは走行距離の440km。これはほとんど大阪→横浜の移動距離分。そして時計のように見えるが、120km/hまであるスピードメーターなど

 L40キャリイのオーナーの場合は、自営業だった父が乗るこの軽トラックが吐き出す2ストの白煙、オイルの焼けるにおい、甲高い音のすべてが楽しい思い出であり、自分から遠ざかって行く特徴的な丸いテールランプの光を今でも忘れることができないのだという。

 彼は、免許を取得するとすぐにハコスカを購入。20年以上乗り続けているが、L40キャリイへの思いもまた大きくなっていったという。


【2】へ続く


1970年式 スズキ キャリイ スタンダード
Specifications 主要諸元
●全長2995mm
●全幅1295mm
●全高1575mm
●荷台長1835mm
●荷台幅1205mm
●荷台高270mm
●ホイールベース1745mm
●最低地上高150mm
●車両重量510kg
●乗車定員2名
●登坂能力20.3°
●最小回転半径3.8m
●エンジン種類空冷2ストローク2気筒
●総排気量359cc
●ボア×ストローク61.0×61.5mm
●圧縮比5.8:1
●最高出力27ps/6000rpm
●最大トルク3.7kg-m/56000rpm
●燃料タンク容量26L
●ステアリング形式ボールナット式
●サスペンション前/後コイルスプリングダブルウィッシュボーン型/リジッドアクスル半楕円リーフスプリング従置型
●ブレーキ前/後ツーリーディング/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも5.00-10-4PR
●発売当時価格31万円


初出:Nostalgic Hero 2016年 4月号 vol.174(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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Text : 全日本保護指定旧車協会 photo : MAKOTO INOUE/井上誠

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