「ハコスカは皆さんに大事にされ、ボロボロになってもレストアされ復活することも多いですが、商用車はそこまで大事にされず、廃車になっていきます」 〜2016〜|1970年式 スズキ キャリイ スタンダード

 オーナーの1970年式スズキ キャリイ スタンダードと、1971年式 スズキ キャリイ バン デラックス。バンのオーナーも、今回取材のオーナーが設立したL30〜L50までのキャリイオーナーで作られたキャリイ専門のオーナーズクラブ「CARRY’S」メンバー。

       
大阪の町役場で新車で購入されたが、時代の流れとともに使われることがなくなり、わずかな走行距離のまま車庫に保管し続けられていたL40キャリイ。各地をまわり、希少な旧車を保護する全日本保護指定旧車協会メンバーが、この奇跡的な軽トラックを紹介。

【1970年式 スズキ キャリイ スタンダード Vol.2】

【1】から続く

「ハコスカは皆さんに大事にされ、ボロボロになってもレストアされ復活することも多いですが、商用車はそこまで大事にされず、廃車になっていきます。だからこそ商用車でキレイに残っているクルマは希少で、魅力的に感じています」とオーナー。

▶▶▶【画像30枚】ジウジアーロのオリジナルデザインとなるキャリイのスタイリングなど

 キャリイの魅力に取り付かれ、パーツを買いあさり、整備書を読みまくり、パーツカタログ、アイテムを手に入れて来た。その後ボロボロになっているキャリイを見つけてはレストアすることを繰り返し、周りにどんどんキャリイオーナーを増やして、CARRY‘Sというキャリイ専門のクラブまで設立してしまうほど。

 そんな彼のマニアック人生に新しい光が差し込んだのは3年前。

「キャリイのことに詳しい方と聞いて……」と電話をかけて来たのは大阪のとある町役場の職員。

 実はこの役場の前を通る県道104線の拡張工事によって車庫の取り壊しが決定。職員が倉庫内の整理をしていたところ、奥からこのL40キャリイが出てきたとのこと。


【3】へ続く


1970年式 スズキ キャリイ スタンダード
Specifications 主要諸元
●全長2995mm
●全幅1295mm
●全高1575mm
●荷台長1835mm
●荷台幅1205mm
●荷台高270mm
●ホイールベース1745mm
●最低地上高150mm
●車両重量510kg
●乗車定員2名
●登坂能力20.3°
●最小回転半径3.8m
●エンジン種類空冷2ストローク2気筒
●総排気量359cc
●ボア×ストローク61.0×61.5mm
●圧縮比5.8:1
●最高出力27ps/6000rpm
●最大トルク3.7kg-m/56000rpm
●燃料タンク容量26L
●ステアリング形式ボールナット式
●サスペンション前/後コイルスプリングダブルウィッシュボーン型/リジッドアクスル半楕円リーフスプリング従置型
●ブレーキ前/後ツーリーディング/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも5.00-10-4PR
●発売当時価格31万円


初出:Nostalgic Hero 2016年 4月号 vol.174(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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Text : 全日本保護指定旧車協会 photo : MAKOTO INOUE/井上誠

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