「カッコは後でええから、とりあえずオイルクーラーをラジエーターの前に移動しろ」テストに密着|OS技研 レーシングS30Z Vol.3

エンジンはテスト用のL28型改3.2Lで、インジェクション仕様で420ps/9000rpmを達成したユニット。それを、ソレックス50PHH仕様に変更して搭載。本番用のL24型ブロックでも、ほぼ同じ仕様になる予定だ。今回のテストに際し、オイルポンプのキャビテーションを防止するため、ギア比4:1のキャビテーション対策ギアが組み込まれ、その効果はデーターロガーでも確認できた。

       
TC24-B1Zのポテンシャルを実証するため、クラシックカーレースでの優勝を目標に
製作が進められてきたレーシングS30Zが、いよいよシェイクダウン。そのテストに密着した!

【OS技研 レーシングS30Z Vol.3】次回のテストでは足まわりのセッティングなどを行う予定

 
【2】から続く

 1周回ってからのピットインでは、データロガーをチェックし、エンジンに問題がないことを確認。その後もピット繰り返して各部をチェックしたところ、やや燃調が濃くなっているため、キャブのジェットを交換する作業を行った。キャブレターの場合、各キャブレターのジェットブロックを取り外し、メインとエアのジェットを交換し、装着し直すという作業を行わなくてはいけない。これがけっこう時間がかかり、作業中に走行時間が終了。そのため、次の走行までの間に、ピット内で作業を行うことになった。

 ピットでデータを確認したところ、油温が上がり気味になっていた。オイルクーラーを水平マウントにしていることが原因かと思われた。
「カッコは後でええから、とりあえずオイルクーラーをラジエーターの前に移動しろ」と岡崎会長。ところが、オイルクーラーを移動するには、グリルやアンダーパネルも外さないといけないため、けっこう大がかりな作業となり、ピットでは不可能と判断。そこで、オイルクーラーへのダクトを延ばして走行風が当たるように修正した。

 9時30分からの2回目の走行でも、周回を重ねたがやはり油温が高く、オイルクーラーの容量アップが課題と判明。そのほかは想定どおりで問題はなく、次回のテストでは足まわりのセッティングなどを行う予定。来シーズンのレースに向けて始動したOS技研のS30Z。その動向に今後も注目する!  

▶▶▶【写真55枚】モーテックで点火を制御するため、ヘッドカバー前方のセンサーはカムのアングルを計測。ストラットタワーバーに吸気温度センサー、バックプレートにはフライホイールの回転数を拾うセンサーを取り付けている。オ今回のテストで容量不足が判明したため、ワイドタイプに変更される予定のイルクーラーなど




エンジンはテスト用のL28型改3.2Lで、インジェクション仕様で420ps/9000rpmを達成したユニット。それを、ソレックス50PHH仕様に変更して搭載。本番用のL24型ブロックでも、ほぼ同じ仕様になる予定だ。今回のテストに際し、オイルポンプのキャビテーションを防止するため、ギア比4:1のキャビテーション対策ギアが組み込まれ、その効果はデーターロガーでも確認できた。





足まわりはモアドライブのスペシャルセッティングが施されたテイン製の車高調を装着。ハブはZ31用で、4本ボルト仕様に変換。アームはマナティレーシングのフルピロアーム。フロントブレーキは、ウィルウッドの6ポット。タイヤハウスの左側から延びているのはブレーキラインだ。





ロワアームはマナティレーシングのピロボールパイプアームで、キャンバーとトーインの調整が可能。


【4】に続く


初出:ノスタルジックスピード 2016年11月号 Vol.011(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

OS技研 レーシングS30Z(全4記事)

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photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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