シェイクダウン時のリミットは7000rpm。その理由は?|OS技研 レーシングS30Z Vol.1

1回目の走行後、ファンでオイルクーラーとラジエーターに風を当てて冷却。データーでは、バックストレートで最高140℃まで油温が上がっていたようだ。

       
TC24-B1Zのポテンシャルを実証するため、クラシックカーレースでの優勝を目標に
製作が進められてきたレーシングS30Zが、いよいよシェイクダウン。そのテストに密着した!

【OS技研 レーシングS30Z Vol.1】TC24-B1Z搭載のレースカー、シェイクダウンテストに潜入!

2016年、6気筒のTC24‐B1Zを搭載するS30Zのレーシングカーの製作が、 着々と進められていた。
4気筒のTC16‐C1を搭載する予定のサニーエクセレントはOS技研の社内で製作しているが、S30Zのほうは、TC24のテクニカルアドバイザーを務める「プロショップ ナカガワ」で製作し、いよいよシェイクダウンを行うことになった。

 極秘テストが行われたのは、まだ暑さが残る8月31日。場所は、FIA国際公認のレーシングコースである岡山国際サーキット。テスト走行の時間としては、暑い日中を避けて、朝一番の走行枠からスタートする予定だ。


【写真55枚】エンジンルームをのぞき込む「オカザキスピード」のチーム監督でもある岡崎会長など

 今回のテスト走行は、あくまでシェイクダウンということで、エンジンのリミットは7000rpmに設定し、アクセル全開は次回のテストにとっておく作戦。というのも、このS30Zに搭載しているTC24は、クラシックカーレース本番用ではなく、あくまでテスト用のL28型改3.2Lのキャブレター仕様。本番エンジンは、レギュレーションに合わせてL24型ブロックをベースに現在製作中で、スペック的には現在の仕様とほぼ同じ内容になる。そのため、今回のテストでエンジンを酷使する必要はなく、あくまで車体の各部をチェックするのが目標だ。



「テストなんじゃから、やれることはやらんと!  カッコつけるのはあとでエエんじゃ!! 」と現場で檄を飛ばしていた岡崎会長。やはりエンジンが気になるようで、ピットでは前後左右からエンジルームをチェックしていた。





気になる部分を見つけると、中川さんと富松さんに確認していた。今回は、キャブの超ショートファンネルとオイルポンプのキャビテーション防止ギアを新たに導入しており、その効果をチェック。





走行終了後、ピットで打ち合わせ。オイルポンプのキャビテーション防止ギアを装着したことで、油圧の立ち上がりが遅くなったそうだが、走行中は問題なく、キャビテーションも防げていた。




【2】【3】【4】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2016年11月号 Vol.011(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

OS技研 レーシングS30Z(全4記事)

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photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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