【AD MAXがまさかのスラムド!!】THE商用の低グレード車を容赦なくイジり倒す!

“THE商用”AD-MAXバンをスラムド!!

       
ニッチな国産フルゴネット2BOXを
容赦なく切り刻みバックドスタンス!

【画像10枚】加工の嵐で成し遂げた腹下グランドタッチの勇姿はコチラから!!


あまりに珍妙な2BOXボディが目を惹くこの1台。
知らないヒトの目には荷室部分をモディファイしたかにも思えてしまう謎ベースの正体は、今から20数年前に市販されていた「日産AD MAX」。
スズキのアルトハッスルと並ぶ和製フルゴネットの貨物車として知る人ぞ知る90’s生まれのレア種で、カスタムベースに選ぶこと自体が奇特といえよう。

そんな隙間チョイスでインパクトMAX級の手応えを得たビルダー兼オーナー。
“だれとも絶対カブらないマイナー車”につい惚れ込み入手したのが、窓なし低グレードのAD MAXバンだった。
シルバーの純正色を自衛隊車両の国防色チックなマットオリーブにバリッと色替えでのお披露目となった。

ノーマルの不格好フォルムを“ダサかっこいい”印象へ一変させているのは、17インチのレーシングハートCRをフェンダー内側にガップリ被せた、ものの見事な落としっぷり。

とはいえ、専用の足回りキットなど存在するハズもなく、エアサスは中古のジャンク品を現物合わせで3コイチ化したDIYビルド。
フロント:ストラット式/リア:トーションビーム式の足回りも、アームやメンバー、ショックマウントもろもろに加工の手が入っており、モノコックボディもCノッチやフロアぶった切りetc、切った張ったの雨あられ!!

ストックのガワはキープしたまま端正なスラムドを得るべく、レア個体をラディカルにモディファイしまくった思い切りのよさにも脱帽だ。

あたかも珍車に目を付けたウケ狙いにも思えるが、実は上級グレードのAD MAXバンも同時所有で隠し持っていたりするオーナー。

カスタムユースとノーマルを同時所有するあたりがまさしく筋金入りのマイナー貨物車マニアの証で、マニアックなレアベースの所有欲にますます火がついたご様子。

低グレードのシャコタン貨物車に懸けるコダワリは本物っス☆



>>観音開きのバックドアが備わるリアビュー。ワゴンは左右リアワイパーや熱線リアウインドー、ハイマウントストップが備わるのに対し、バンはそれらの装備を省略化。そのぶん、見た目がシンプルなのがオーナーのお気に入りだ。


>>アフターパーツなんて、気の利いたモノは皆無の激レアベースを相手に、切った張ったの大工事で完遂した異端シャコタンの勇姿とも言えるバックビュー。


>>荷室高1200mmの広々としたカーゴスペースは、ノーマル状態で鉄板むき出しのドンガラなのが低グレードのAD MAXバンの特徴。フロアはエアサスのボトム時に後輪と干渉するタイヤハウスをバッサリ切除しており、雨天時のドライブは荷室がエラいことに(泣)……。


>>FF駆動でストラット式のフロントサスは、モノコックフレームのCノッチとメンバースライスを行ったうえ、ロワアーム延長+位置上げを実施。リアはホーシングのナロードとアクスル上げを行い、トレーリングアーム加工のほか、ショックマウントの位置も変更してストロークを確保した。エアサスはジャンク品を3コイチで組み合わせ、現物合わせのすえ、セットアップという荒技同然(!?)のワンオフメイドだ。


>>ホイールは今はなきタケチプロジェクト製のレーシングハートCR。サイズは17インチのF:7J IN38/R:8J IN24で、前後スペーサーでスラムドでの絶妙なツラウチを演出。タイヤはナンカンのF:165/35、R:185/35の組み合わせ。一昔前のスポコンリムをあえて履くことで“どっかの異国の怪しげなカスタムカー風”を意識しているとのことだ。


>>規格型ライトの奥目顔+黒樹脂グリルはADバン共通で、’96年以前のモデルはワゴン共通顔も存在した模様。グリルエンブレムは本来NISSANとなるが、カッティングシートで製作したDATSUNデカールに変更してレトロ風に演出している。


>>サイドボディの窓なし仕様は、バンの低グレードのみで、発売当初はVEとDXが窓なし、上級版 VXが窓ありの体系だった。モデル後半は窓有りのVX、窓なしのVEにグレードが整理された。キャビン側の屋根もハイルーフ化され、ADバンよりもホイールベースが若干延長されているのがAD MAXの隠れた特徴となる。


>>ダッシュボードやタコメーターなしのインパネは、同型のADバン共通で、エアサスのプレッシャーゲージを埋め込んだ以外はストックを維持。ステアリングはグラント製に交換し、ほんのりアメカジムードをプラスした。


>>フロントシートは2脚ともレーシングスパルコのセミバケットタイプに交換。ミスマッチに思えるレーシーチョイスだが、チープなインテリアに違和感なく溶け込んでいるのが特筆ともいえる。


>>ベースはモデルレンジ後半の’97年型で、1.5ℓのGA15DEエンジンを積むガソリン車のVEグレード。オールペンによるマットオリーブのボディカラーは、“地味だけどインパクトのある色”を狙ったとはオーナーの弁。


『カスタムCAR』2019年2月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:AD MAXバン/1997年型
SOURCE:カーメイク JAM

PHOTO/佐藤亮太 TEXT/コンヒデキ

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