魁商店 すずき工芸の美麗かつ豪快なアート青果便

迫力と色香を醸し出す「日本女性」を描いたリア観音扉のペイントは、リアセクションの目玉ポイント。繊細な描き込み&色使いで存在感を振りまく傑作画だ。

       


本州全域を走るオーナーの青果輸送便は、すずき工芸が手腕を振るった注目度満点の箱3面ペイントと精悍な大型パーツでオリジナリティを演出。「小学生のころによく道でみかけたアート車たちのスタイルを意識しました」という思いを具現化した秀作車だ。

道行く人の視線をクギ付けにする箱2面の波絵は、強い要望により、すずき工芸でもおそらく初めてとなる「後方から前方に流れる」という意外性満点の構図を採用し、あまたある波絵採用車両とは一線を画す迫力を獲得。上方に刻んだ「遠州魁商店」のすずき文字も見応え十分だ。また、リア観音扉を彩る「背中に獅子の墨を入れた日本女性」のペイントは、女性と獅子の視線がそれぞれ後方に向けられており、後続車に対して威圧的な雰囲気をアピール。脇に添えた「深夜街道 乱れ咲き」の名文句も秀逸だ。

一方、林ボデー製作所の作品で統一した大型パーツ群も注目どころだ。キャブボトムに量感のあるラッセルもどしバンパーを装着。また、キャブトップにはしぼりパイプでこしらえた菱形棒チップ仕様のミラーステーと、前面に「丸棒+マーカー」をあしらった平型バイザーをコンビネーションして、周囲に迫力と華やかさを披露。黒塗りキャブとのコントラストも一見の価値を有している。撮影後にはフロントバンパーをラッセルタイプに変更。オーナーの意欲はとどまるところを知らないかのようだ。

【写真6点】小学生のときの追憶を形に。

カミオン2009年10月号トップアートをもとに再構成

RECOMMENDED

RELATED