一葉丸 芸術的な技法を駆使した淡路&神戸スタイルの鮮魚便

箱前方に組み合わせた煙突マフラーや箱サイドの後方に装着した「一葉丸」の切り文字など、随所に光らせた特注パーツも魅力十分。だれもが一目置くご当地モード120%の1台だ。

       


大型車にトレーラ用の冷凍機を装着する「タテ型冷凍機仕様車」。関東では名門・椎名急送などが採用しているベース車だが、関西ではあまりその姿をみることはない。プロフィアベースのタテ型冷凍機仕様車を導入すると、全身を淡路&神戸エリアの伝統的なスタイルでアートアップ。現在は鮮魚を箱に積み込んで、毎日約600kmを走っている。

注目ポイントは「抜き」や「打ち出し」の名手であるオーダーが手腕を振るったキャブ周りのコーディネートだ。なかでも、フロントパネルやコーナーパネル、寝台パネル、ルーフ上の「帽子巻き」……などなど、打ち出し模様を多数採用したエッチングステンレスが特筆ポイントで、小さいころからよく目にしてきたというカネショウの名車陣を彷彿とさせる。

また、菱抜きデザインで統一を図った平型バイザー&ミラーステーや、鏡面でこしらえた舟型バンパーなど、オーダーがていねいに作り上げた大型パーツ群も、優れたオリジナリティと完成度を兼ね備えており、目の肥えたアートトラックファンを楽しませる。

一方、荷台周りの目玉は「荒波と富士山」を描いたリア観音扉の絶景画で、クリスタルオートの大胆な構図と美しいカラーリングが功を奏し、観る者の視線をクギ付けにする。また、計13発の丸テールをバランスよく配置したリア下周りや縁起のいい「鶴や亀」の模様を抜きで表現したリアルーフスポイラーも、見逃せないポイントだ。

【写真6点】タテ型冷凍機×神戸淡路流。

カミオン2009年5月号トップアートをもとに再構成

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