ガッツリ食べグッスリ眠るトラッカー御用達! 食堂あかしや(群馬県安中市)

夜のあかしや。この灯りが、峠を越えていく者と越えてきた者をホッとさせる。

       


あかしやの味わい深い外観。缶ジュースやコーヒーを買いに立ち寄る人も多い。

食堂あかしやは、碓氷バイパスが開通した’71年(昭和46年)、店主である黒澤純生さんの祖母と母がはじめたドライブインだ。

食堂横川サービスエリアがある群馬県トラック協会の駐車場よりも350mほど町寄りに位置する。ちなみに食堂横川サービスエリアの店主は高校時代の空手部の先輩とのことだ。
「もともとこのあたりは人が少ない地域。他の店の方々もみんな顔なじみですよ」。


ドクターヘリのランデブーポイントに指定されるほど敷地は広いため、ガッツリ食べてグッスリ眠りたいトラッカーに重宝される。

黒澤さんは都内の大学を卒業したあとお店に入るが、当時は祖母や母から「おめえは客商売に向かねえぞ」とよく言われたそうだ。

「やめようと思ったことなんてたくさんありますが、なんだかんだで31年続いてます」。


店主の黒澤純生さんと奥さまのかおりさん。黒澤さんは地域の衛生指導員としても活躍する。


映画『トラック野郎』シリーズのロケ地で使われてもおかしくないくらい趣きのある店内。


個人的にツボなのがこちらの冷蔵庫。ここから取り出される飲み物はなぜか3割増しにうまく感じる。


縁起を担ぐ額も年季が入った逸品だ。


店内のだるまとこの招き猫は元だるま職人のかおりさんが製作したもの。販売していたらほしい。


すりきれたのれんはお客さんの出入りの証。


あかしやのアイドル、宝良ちゃん。お客さんと遊ぶのが大好きだ。


宝良画伯の作品をたくさん鑑賞できるのもお店の魅力だ。


大雪時のあかしや。このときは町民たちは協力して、立ち往生した車両のドライバーたちへおにぎりの差し入れをしたそうだ。


夏季にありがたいシャワールーム。利用料は200円。


上信越道の開通により客足は激減。ごはんは以前使っていた3升炊きの釜は使わず1升炊きの釜で随時こまめに炊くようになったとも。

肝心の料理については「他店と違ってウチなんて全然こだわりないです」と話すが、祖母と母のメニューを守りつつも時代の流れに合わせて味を変化させたり新メニューを製作。なかでも脂身が多い部位による自家製チャーシューは、某番組で取り上げられるほど人気の商品だ。


某テレビ番組で取り上げられたチャーシューメン。程よいかみ応えが辛抱たまらない。

あかしや垂涎のメニューはコチラから。

「ボク自身は脂身がニガテなのでまったく食べたいと思いません」との言葉にかおりさんは思わず大笑い。そんな黒澤さんのほがらかな人柄から生まれる店内の居心地のよさこそ、一番の特徴なのかもしれない。



なお、あかしやには、カミオンTVも突撃取材。まだ視聴されていない方はコチラからぜひ!

文・写真:編集部 2022年5月号をもとに再構成

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