トラッカー食堂 名古屋市中央卸売市場本場発 早っ! 安っ!! うまっ!! 天末食堂(愛知県名古屋市)

間口からいかにもうまそうな気配がダダ漏れ状態。右扉上「コロッケパン始めました 5:30〜」がかなり気になる。

       


天末食堂 ☎︎052・682・4706 〒456-0072 愛知県名古屋市熱田区川並町2−22
営業:2時30分〜13時 定休日:水曜日、日曜日(市場休みに準ずる)


名古屋市中央卸売市場本場でお店を構えること60年となる天末(てんすえ)食堂。お店の場所は西門寄りの旧関連業務棟、「ラーメン」の文字が刻まれる真紅ののれんとのぼりが目印だ。

建物自体は年季が入っているが、座席数は20席ほどの店内は、掃除が隅々まで行き届き明るくきれいだ。腕を振るうのは松崎雄一さん。他店で研鑽していたが、35歳のとき祖父と父に続いて3代目を継承したとか。


3代目店主の松崎雄一さん。となりは給仕を切り盛りする母の春枝さんだ。

西洋料理専門調理師の肩書を持つ松崎さんだが、「天末名物」として市場で働く人たちから親しまれる「ラーメン・チャーハン」、「玉子丼」、名古屋めしの代表格「どてめし」は、アレンジせず忠実に味を守る。なので、久しぶりにのれんをくぐったお客さんからは「あ〜この味、なつかしいねぇ」と言われるそう。またどれも迅速メニューにつき、とにかく早くお腹を満たしたい出発前のトラッカーにも大好評だ。


町中華の王道メニューをしっかり抑えたラインナップ。名古屋城のお膝元だけに赤だしの存在は重要だ。

時間に余裕がある場合、伝統メニューはメインディッシュにとっておくとして……、ひとまず注目してほしいのが店内奥の中央にある冷蔵庫ゾーン。仕入れは肉類以外、すべて場内でしかもその日取引されたばかりのものを調達、調理されるため、鮮度はある意味、名古屋一。文字どおり市場直送なので刺身類の鮮度は最高であり、しかもうれしいのが価格がグッと抑えられている。つまり食べない選択はない。

冷蔵庫上の台に目を向けると、焼き魚、カキフライ、煮浸しなどなど、いかにもうまそうな松崎さんお手製のおそうざいがうまみのアンサンブルを奏でている。


冷蔵庫まわりに置かれるおそうざい。何が調理されるかはその日の仕入れ次第だ。タイミングを逃せば二度と食べられないものもあるので、迷ったら気前良く食べるべし。


刺身4種盛り。当日の仕入れによって内容は変わるがこの日は滋養のあるマグロの赤身、上品な甘みが舌に躍るホタテ、いい意味で貝らしくない透き通る鮮烈な旨みのある赤貝、プリプリの弾力と淡麗な味わいがやさしいイシガレイ。刺身嫌いの人こそ、ぜひ食べてほしい。

シメは前出の天末名物、ラーメン・チャーハン、どてめし、玉子丼の3択問題だ。なかなかの難問だが、お腹に余裕があれば、ラーメン・チャーハン&どてめし、ラーメン・チャーハン&玉子丼が無難だろう。


どて煮。これを食さずして天末食堂を語れない。


天末食堂名物、ラーメン・チャーハン。スープは口に含んだ瞬間うまみが広がるがのど越しはスッキリなあと引くタイプ。パラっとしたチャーハンとの相性はバツグンだ。なお、チャーハンはいわゆる半チャーハンなので、腹が減っていたらダブルヘッダーもアリだろう。

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営業時間は市場食堂だけに午前2時30分からお昼の午後1時と、場外の人にはなかなか行く機会を作るのは難しい時間帯だが、ちょっと早起きしての朝食or少し早めの昼食などは、普段の生活にとびきりのアクセントを加えること間違いなし。ただし、うまくて安いので、食べ過ぎにはご用心!

これまでのメニューがズラリと並ぶ天末食堂公式インスタグラムもチェック!

写真・文:編集部

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