アートトラック ワリバシ満載御礼! アンドンをずらり並べて富士を背に爆走!! 湘南の哥麿(1984年9月号)

9発のスカGテールを配したバンパーなどリアパートも圧巻だ。レタリング文字のかすれが過酷な業務を物語る。

       

木材を満載する湘南の哥麿は、映画『トラック野郎 望郷一番星』では「あぁ宮城県」の名で劇中に登場した大型平ボディの名車中の名車だ。第1次デコトラブーム終了後もアンドンやマーカーなどの電飾を充実させていくとともに、ウロコステンレスを積極的に採用してスタイリングに磨きをかけていった。

貯木場で木材を満載した姿は、さすがキマっている。東京静岡間を走ることが多いとか。この日も清水港で木材を満載にして、一気に東京まで走る。

「大きな声ではいえないけど〜(以降25行、自主規制……)

3段になったアンドンがアイデアもの。

「この飾りにして4、5年になるけど、1年に1回ぐらい文字を替えたりしている。フロントグリルに『逮捕』『無用』と入れたんだけど、あまりポリスを刺激すると狙われるから、走りはいたっておとなしいもんですよ」。

——映画『トラック野郎』シリーズへの出演を皮切りに、イベントや雑誌などでも多くのファンを魅了してきた湘南の哥麿。ワリバシ軍団の重鎮として活躍する一方で、哥麿会の本部相談役としてアートトラックの発展に貢献するなど、平ボディの名車として、後人に与えた影響は大きい。

「自主規制」とした当時の誌面には、積載量に関するエピソードが書かれており、当時の担当編集部員が「いずれ特集で大々的に取り上げる」と文中でしめていたが、この問題の矛盾点や疑問点が40年経過した今もいっこうに解消されないのは、いったい何が原因なのだろう。2024年問題を控えた今、運送業界の明るい未来のためにも、誰かに明確な答えを出してほしい。

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文:編集部 カミオン1984年9月号をもとに再構成

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