アートトラック 重厚な中にも華やかさを感じさせる旋風児(1984年9月号)

ウロコステンレス張りのキャデラックバンパーには飾りプレートを装着し華やかな様相を演出する旋風児。

       

↑当時最先端のウロコステンレスでガッチリと仕上げたZM。 ボリューム十分のフロントバンパーや、剛性感の高いバイザーが目を引くところで、派手さよりも渋さを重視した仕上げが新しい波を感じさせた。キャブに回した2本の手すりパイプも高級感を添えている。

メッキ、ステンレスをふんだんに使って一味違った感じに仕上げている旋風児。 ダンプに乗って10年というオーナーは古くからダンプに飾りを付けていた。

「このクルマは2台目になるんだけど、飾りだして6年目になる。海岸沿いを走る機会が多いから、最近はサビが浮いてきて手入れが大変ですよ」。

よく見るとメッキに小さなサビが浮いているところがある。メッキはどうしても潮風にあたるところではサビがつきやすい。

一週間も手入れをおこたるとアッという間にサビてしまうという。

それにしても、重厚な中にも華やかさを感じさせるグーな仕上がりだ。

「荷台のアオリなどは特注のものです。ステンレスを張って、サイドの文字はリベットで留めてあるんだ。アンドンは一つ、二つと増やしていって、いま15個付いているのかな。でももう限界だ。これ以上取り付けると汚くなってしまう。もちろんみんな点灯するけど、滅多に全部点けることはないなァ」。

ハネ板(テールゲート)の浮世絵もダンプではあまりみかけない。

「これは結婚式場の看板を描いている人に頼んでやってもらったんです。知り合いだから安くやってもらえた。これでも 描くのに3日かけている。ハネ板をはずして描いてもらうわけ。その間、仕事ができなかったけどネ」。

砂利、砂を運搬するため手入れが大変。色が褪せてくると再び化粧直しが必要になってくる。

バンパーは模様入りなだけに35万円のお値段。 デッキは10万円、バイザーが12万円だそうだ。

「トータルでは200万円くらいかかっていると思う。雨の日は悪路は走らないよう気をつけているよ」。

→【画像3枚】そのほかの写真はこちらから。

文:編集部 カミオン1984年9月号をもとに再構成

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