「直線ラインのクルマが好きで・・・」時代を経てなおも輝き続ける、430セドリックの魅力【3】1981年式 日産 セドリック 4ドア ハードトップ 200ターボ ブロアム

日本初のターボエンジンを搭載、1980年代を象徴する高級サルーン

       
日本初のターボエンジンを搭載、1980年代を象徴する高級サルーン

【 1981年式 日産 セドリック 4ドア ハードトップ 200ターボ ブロアム Vol.3】

【2】から続く


 430ターボが与えた影響はとてつもなく大きい。ライバルのクラウンが1年後にM‐T型を投入して追従したのを皮切りに、次々とターボ化が進む。これが、1980年代のパワー競争の始まりで、その発端が430だったのだ。

 こうして人気モデルとなった430は自動車ファンのみならず、多くの人に影響を与えた。今回の撮影車両のオーナーもそのひとり。幼少期に親戚が430に乗っていて、その印象が少なからず残っていた。
「最初は子どもの頃のことは覚えてなかったんです。直線ラインのクルマが好きで、Y30セドリックバンを買って乗ったことがきっかけで昔のセドリックを探すようになって、430に出合いました。それで、よくよく考えたら、子どもの頃のことを思い出したんです。そこが原点だったんだなと思いました」とオーナー。1980年代の道標となり、一世を風靡した430の影響力は、時代を経ても輝き続けている。


>> 【画像16枚】この個体は普段は全面にカバーをかけているため、シートの状態はとても良い。見るからにぜいたくなシートはソファのような座り心地。ベンチタイプの設定もあったシートなど




>> L20ET型2L SOHCターボは、シリーズ途中の改良はなく、前後期通じてスペックは同じ。2.8L並みのパワーにファンは熱狂した。

OWNER’S VOICE/同い年の愛車と過ごす、大変でも楽しい生活



 オーナーが430セドリックを入手したのは4年前。旧車に造詣が深いオートサークルで見て、ほれ込んでしまった。以来、430以外のクルマは目に入らないという。「部品の入手が困難になってきて、現状を維持するのも大変。しかも、最近は忙しくてあまりかまってあげられていないんです。でも、このクルマ以外は考えられません」とオーナー。同い年の愛車と過ごす生活は楽ではないかもしれないが、一日でも長く続いてほしい。

【1】【2】から続く

1981年式 日産 セドリック 4ドア ハードトップ 200ターボ ブロアム(K430)

Specification 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4690×1690×1410
ホイールベース(mm) 2690
トレッド前/後(mm) 1415 / 1380
車両重量(kg) 1485
エンジン型式 L20ET型
エンジン種類 直列6気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 78.0×69.7
圧縮比 7.6:1
最高出力(ps / rpm) 145 / 5600
最大トルク(kg-m / rpm) 21.0 / 3200
変速比 1速 2.842 / 2速 1.542 / 3速 1.000 /
4速 0.686 / 後退 2.400
最終減速比 4.375
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン / 5リンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 185SR14(前後とも)
発売当時価格 293.4万円

初出:ハチマルヒーロー 2016年 5月号 vol.35
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1981年式 日産 セドリック 4ドア ハードトップ 200ターボ ブロアム(全3記事)

関連記事:セド・グロvsクラウン頂上決戦

関連記事:セドリック

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

RECOMMENDED

RELATED

RANKING