L型ターボ! フェアレディZへの初搭載がセドグロに替わったワケ【2】1981年式 日産 セドリック 4ドア ハードトップ 200ターボ ブロアム

ステアリングホイールはMOMO製に交換。そのほかはノーマルの内装

       
日本初のターボエンジンを搭載、1980年代を象徴する高級サルーン

【 1981年式 日産 セドリック 4ドア ハードトップ 200ターボ ブロアム Vol.2】

【1】から続く

 そこで日産が打った手がターボ化。伝統のL20型エンジンにギャレット製ターボチャージャーを組み込んだL20ET型を市場に送り込んだ。ターボというと、簡単にハイパワーを手に入れられる魔法のアイテムと一般的には思われていた。しかし、表向きは……実際にメーカーの本音かもしれないが……ターボは環境性能を高めるために導入されたのだった。当時のカタログには「レーシングカーなどに見られる、ホットなイメージのターボとは根本的に異なります。(中略)低燃費・低騒音・排出ガスのクリーン化など時代の要請にこたえたターボです」と記されている。

 その一方、当初はフェアレディZ(S130)から搭載する予定だったが、パワーアップによる暴走行為の増長や燃費の悪さが取り沙汰され、ターボのイメージが悪くなることを懸念。そこでフォーマルなセド・グロに先に搭載されたという話もある。

 どちらにせよ、ターボエンジンの登場は、自動車ファンを熱狂させるのに十分すぎるインパクトとパフォーマンスを与えた。このL20ET型は、2Lの自然吸気エンジンとは比較にならない動力性能を示している。それも当然で、そのスペックは2.8Lと同等の最高出力145ps、最大トルク21.0kg‐mを発揮したのだ。


>> 【画像16枚】シリーズ途中の改良はなく、前後期通じてスペックは同じだったL20ET型2LSOHCターボなど。その2.8L並みのパワーにファンは熱狂した




>> メーターはアナログが基本だが、最終のターボSGL-Fにデジタルが用意された。






>> 200Eターボ・ブロアムはオートエアコンが標準。オーディオ関係も純正品が残っており、この個体はオプションのTVチューナーも装着されている(左下のダイヤルスイッチ)。


【3】に続く



1981年式 日産 セドリック 4ドア ハードトップ 200ターボ ブロアム(K430)

Specification 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4690×1690×1410
ホイールベース(mm) 2690
トレッド前/後(mm) 1415 / 1380
車両重量(kg) 1485
エンジン型式 L20ET型
エンジン種類 直列6気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 78.0×69.7
圧縮比 7.6:1
最高出力(ps / rpm) 145 / 5600
最大トルク(kg-m / rpm) 21.0 / 3200
変速比 1速 2.842 / 2速 1.542 / 3速 1.000 /
4速 0.686 / 後退 2.400
最終減速比 4.375
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン / 5リンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 185SR14(前後とも)
発売当時価格 293.4万円



初出:ハチマルヒーロー 2016年 5月号 vol.35
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1981年式 日産 セドリック 4ドア ハードトップ 200ターボ ブロアム(全3記事)

関連記事:セド・グロvsクラウン頂上決戦

関連記事:セドリック



【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

RECOMMENDED

RELATED

RANKING