現地のクラシックカーファンから大きな注目を浴び、アメリカを駆け抜けたニッポンのハコスカ|1970年式 日産 スカイライン 2000 GT-R Vol.1

ボンネットからルーフ、トランクにかけて、レースを盛り上げるため往年のワークスカラーをイメージしたストライプを入れた。フロントウインドーのTEAM JAPANは、この年参加の日本車に貼ったもの。

       
【1970年式 日産 スカイライン 2000 GT-R Vol.1】

 アメリカ中西部の町、ミズーリ州セントルイス郡カークウッド。2015年6月20日、日本から海を渡り、ハコスカGT-Rがこの地に現れた。グレートレースへ参加するためである。

 グレートアメリカンレースとも呼ばれるこのレースは、1983年からはじまったヒストリックカーによるラリーイベントだ。1965年公開の同名の映画に影響を受けた、アメリカのマニアたちが初回を開催し、2015年は25回目を数える記念大会であった。

 参加資格は原則的に45年以上前に生産された、オリジナル状態を保ったクルマであること。2015年のレギュレーションでは1972年までの車両とされた。多くはアメリカの古き良き時代を駆け抜けた名車たち、合計130台の参加車の中に、日本から8台の旧車がエントリー。その内の一台が、ビンゴスポーツから参加の70年式スカイライン2000GT-Rだ。

 ハコスカは新車当時、基本的に日本国内での販売のみ。海外では最近になって、ディープな日本車マニアにより何台かのGT-Rが海を渡っているが、まだまだアメリカでは知る人ぞ知るマニアックカー。アメリカ人にとってもなじみ深い、ダッツンZのL型エンジンではない。レース用として開発されたツインカムS20型エンジンを搭載した市販車だ。そのオリジナルの状態を維持した姿に、クラシックファンから大きな注目を浴びた。

▶▶▶【画像19枚】キャブレターはウエーバーの3連。レース途中で分解清掃をしているが、このファンネル仕様のまま、グレートレースを走破したGT-Rの証であるS20型エンジンなど



ボンネットからルーフ、トランクにかけて、レースを盛り上げるため往年のワークスカラーをイメージしたストライプを入れた。フロントウインドーのTEAM JAPANは、この年参加の日本車に貼ったもの。






ワンピースタイプのテールランプ。1970年式は白のバックランプが、赤のレンズに囲まれるデザイン。





トランク内には純正の鉄製100Lタンクを装備。長距離のステージも、途中で給油することなく走り抜けた。



1970年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10)
Specification 諸元
全長 4395mm
全幅 1610mm
全高 1385mm
ホイールベース 2640mm
トレッド前/後 1370/1365mm
最低地上高 160mm
室内長 1775mm
室内幅 1300mm
室内高 1120mm
車両重量 1120kg
乗車定員 5名
最高速度 200km/h
0→400m 16.1秒
登坂能力sinθ 0.540
最小回転半径 5.3m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1989cc
ボア×ストローク 82.0×62.8mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps/7000rpm
最大トルク 18.0kg-m/5600rpm
変速比 1速 2.957 / 2速 1.858 / 3速 1.311 / 4速 1.000 / 5速(OD) 0.852 / 後退 2.922
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 100L
ステアリング形式/ リサーキュレーティングボール(ギア比18.5)
サスペンション前/後 ストラット・コイル/セミトレーリングアーム・コイル
ブレーキ前/後 ディスク/ドラム
タイヤ前後とも 6.45H-14-4PR
発売当時価格 150万円


【2】に続く

初出:Nostalgic Hero 2016年 2月号 vol.173(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(全3記事)

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