レース中の最大のトラブルは? 3300kmを9日間掛けて走るグレートレース|1970年式 日産 スカイライン 2000 GT-R Vol.3

アメリカを駆け抜けたニッポンのハコスカ=NISSAN SKYLINE 2000 GT-R GREAT RACE Competition car。

       
【1970年式 日産 スカイライン 2000 GT-R Vol.3】

【2】から続く

 全長3755kmにもおよぶルート66。グレートレースではそのうちの3300kmを9日間かけて走り抜ける。一日あたり370km前後。東京から名古屋までの距離を9日間、毎日走るというのだ。それも、製造から半世紀近い旧車でである。

 スピードを競うのではない。競技区間は、コマ地図を使ったタイムラリーで、時速25~50マイル(約40~80km/h)という設定速度で走らなければならない。とはいえ、アメリカの砂漠の真ん中を行くルートでは、外気温が50℃近くになり、人間とクルマの両方に過酷な環境。しかし、ハコスカGT-Rは、その状況にも耐え抜いてみせた。

 レース中の最大のトラブルは、オイルクーラーの経年劣化から来るオイル漏れ。これは現地でオイルクーラー配管をバイパスさせて対策。オイル漏れを克服し、レースを完走している。

 レースのために生まれたスカイラインGT-R。見慣れたサーキットとはフィールドこそ違えど、やはり戦う姿こそがGT−Rにはよく似合う。


▶▶▶【画像19枚】前期型の特徴である角張ったサイドウインカーや、1970年式の特徴であるワンピースグリルなど



GT-Rの証であるS20型エンジン。キャブレターはウエーバーの3連。このファンネル仕様のまま、グレートレースを走破した。レース途中で分解清掃をしている。





タコ足はレースでの汚れが付いたまま。約4000kmもの道のりと、アメリカの大地を感じさせる。






型式プレート。最高出力/回転数160ps/7000rpmのS20型エンジンは、後期型のKPGC10とスペック上は共通。


1970年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10)
Specification 諸元
全長 4395mm
全幅 1610mm
全高 1385mm
ホイールベース 2640mm
トレッド前/後 1370/1365mm
最低地上高 160mm
室内長 1775mm
室内幅 1300mm
室内高 1120mm
車両重量 1120kg
乗車定員 5名
最高速度 200km/h
0→400m 16.1秒
登坂能力sinθ 0.540
最小回転半径 5.3m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1989cc
ボア×ストローク 82.0×62.8mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps/7000rpm
最大トルク 18.0kg-m/5600rpm
変速比 1速 2.957 / 2速 1.858 / 3速 1.311 / 4速 1.000 / 5速(OD) 0.852 / 後退 2.922
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 100L
ステアリング形式/ リサーキュレーティングボール(ギア比18.5)
サスペンション前/後 ストラット・コイル/セミトレーリングアーム・コイル
ブレーキ前/後 ディスク/ドラム
タイヤ前後とも 6.45H-14-4PR
発売当時価格 150万円


初出:Nostalgic Hero 2016年 2月号 vol.173(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(全3記事)

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