家族の成長を見守り続けた20年間、30万km超えのサニーセダンGX5。今も変わらずオーナーの日常の足|1973年式 日産 サニー 4ドア セダン GX5 Vol.4

壁にかかったグリル。ツール類やストックパーツが所狭しと並んでいるガレージ。

       
20年間も連れ添えば、酸いも甘いも噛み分けられる。しかも365日欠かさず運転していたとしたら、もはや一心同体ともいえる存在になるはずだ。今回、登場していただくオーナーとその愛車であるサニーGX5との付き合いは、まさにそれ。子供ができたのを機に選んだ貴重な4ドアモデルは、ずっと家族の成長を見守り続けてきた。そのヒストリーを紹介しよう。

【1973年式 日産 サニー 4ドア セダン GX5 Vol.4】

【3】から続く

 そんなオーナーさんのポリシーは、クルマを甘やかしすぎないこと。毎日使うから雨ざらしだし、年に2回はサーキット走行を楽しんでいる。ただし、故障は放置せずにすぐに直すのが長持ちの秘けつ。そうして共に歩み続けた20年間、走行距離は30万kmに達した。



 振り返れば、このGX5の車内で子守もした。使い勝手のいい4ドアだから、家族の理解を得られた面もある。だからこそ、生まれたばかりの子供のために選んだGX5は、今も変わらずオーナーの日常の足として元気に動き続けている。そして、これからもずっと、よき相棒であり続けるに違いない。


▶▶▶【画像35枚】フロント6.5J、リア7JとなるRSワタナベ4本スポークの13インチのホイール。耐候シートで製作しているが、純正オリジナルも所有し、貼らずに保管しているサイドストライプなど

エンジン組み上げもお手のもの! ハンドメイドで仕上げたマイガレージか

1年半をかけてハンドメイドで仕上げたというオーナーのマイガレージには、ツール類やストックパーツが所狭しと並んでいる。居心地のいい趣味の空間となっていて、オーナーはここでエンジンの製作やパーツの加工などを行なっているというから、うらやましい限り。


サニーGX5をイジることで、クルマのことを知ったというオーナー。必然に迫られたとはいえ、エンジンの製作までやってのけるのだから並大抵ではない。今は7基目のA14型改15を製作中。これまでの集大成として、さらに過激な仕様のチューニングでエンジンを仕上げるというから楽しみ。


ちなみにオーナーはスーパーカブのレースにもハマっていて、大会で優勝をするほどの腕前。何事にも妥協をせずにやり抜く性格だからこそ、そうしたことも実現可能なのであろう。




1973年式 日産 サニー 4ドア セダン GX5(B110)
SPECIFIVATION 諸元
■ エクステリア:キャロル純正H4ライト、HID
■ エンジン:A14型改15、まつおか製80度カム、ビックバルブ(IN:φ38mm、EXφ32mm)、
亀有製バルブスプリング/バルブガイド/バルブシート(ベリリウム)、コスワース製鍛造ピストン、
純正加工クランク/コンロッド(WPC&DLC加工)
■ 燃料系:リターンシステム、ニスモ燃料ポンプ、コレクタータンク、ホーリー製燃圧レギュレーター
■ 電気系:ウルトラ・プラグコード、アルト純正コイル、サニトラ用フルトラデスビ
■ 吸排気系:ビトーR&D JBパワーFCRキャブレターφ41mmダウンドラフト(特注ニードル)、
フジツボ製B310用タコ足、自作マフラー(φ60→φ50→φ60mm)
■ 冷却系:13段オイルクーラー
■ 駆動系:マーチR用クラッチ、直5ワーナー仕様ミッション、ニスモLSD(ファイナル3.9)
■ サスペンション:B310用自作車高調(F:4kg/mm、R:2.8kg/mm)、AE86用ピロアッパー、ホーシングキャンバー加工
■ ブレーキ:(F)R32純正2ポットキャリパー流用、AE86用スリットローター、(R)ベレット用アルフィンカバー
■ インテリア:OPTタコメーター、大森メーター製追加メーター(水温、油温)、3点式自作ロールバー、
ハコスカ用レースミラー、ダッツンバケットシート、PYROTECT5点式ハーネス
■ タイヤ:KENDA 175/60R13
■ ホイール:RSワタナベ・4本スポーク (F)13×6.5J、(R)13×7J


初出:ハチマルヒーロー 2013年 11月号 vol.23(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 日産 サニー 4ドア セダン GX5(全4記事)

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text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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