際立ったハンドリング性能! 日本導入が遅れたおかげで得たイメージリーダー|1993年式 プジョー 205 GTI Vol.2

3ドアのみのGTIにはホイールアーチモールや小型のルーフスポイラーを装着。リアワイパーとリアウインドーデフォッガーも専用装備となる。

       
【1993年式 プジョー 205 GTI Vol.2】

【1】から続く

 205の欧州デビューは1983年で、日本導入は1986年。3年のブランクがあった。205が日本で販売をスタートした当時、ホットハッチブームが到来。1984年から日本導入がスタートしたVWゴルフGTIという欧州発の先達も登場していた。

 とはいえ、性能が伴わなければヒットはしない。だが、これもブランクが奏功し、欧州で1984年に追加されたトップモデルのGTIをイメージリーダーとして同時に投入できたのだ。このクラスで絶対的な地位を確立していたゴルフGTi。くしくも同じ名前が与えられた205GTIは、その牙城を崩すために開発されただけあり、ポテンシャルは国産車とは一線を画していた。

 とくに際立ったのはハンドリング性能で、しなやかに動きながら路面をつかみ、ロールしながらも高スピードでコーナーを駆け抜ける。後に「ネコ足」と呼ばれプジョーの代名詞となるこの独特な乗り味は、固く締め上げられた国産車では味わえないもので、一気に多くのファンをつかんだ。


ライオンのエンブレムのつくフロントグリル。最終型はクリアになるのが特徴となるウインカーレンズなど【写真21枚】





1989年以降の1.9LエンジンはMTが120ps、ATが100psだが、最終型はATも120ps仕様となった。






手動スライド式大型ガラスサンルーフはバブルの恩恵か、後期型からGTIに標準装備。エンジンの排圧をゴム製シール内に送り、密着性を高めるという粋な技が用いられる。


【3】に続く


1993年式 プジョー 205 GTI(20DK)
SPECIFICATIONS 諸元
●全長×全幅×全高(mm) 3705×1590×1380
●ホイールベース(mm) 2420
●トレッド前/後(mm) 1395/1330
●車両重量(kg) 910
●エンジン型式 XU9JAZ型
●エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
●総排気量(cc) 1904
●ボア×ストローク 83.0×88.0
●圧縮比 9.2:1
●最高出力(ps/rpm) 120ps/6000rpm
●最大トルク(kg-m/rpm) 15.2kg-m/3000rpm
●変速比 1速 2.923/2速 1.850/3速 1.360/4速 1.069/5速 0.864/後退 3.333
●最終減速比 3.688
●燃料タンク容量 50L
●ステアリング形式 ラック&ピニオン
●サスペンション前/後 マクファーソンストラット/トレーリングアーム
●ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
●タイヤ前後とも 185/55R15 80V
●発売当時価格  292.0万円


初出:ハチマルヒーロー 2013年 11月号 vol.23(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1993年式 プジョー 205 GTI(全3記事)


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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

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