キャブはウェーバー45DCOE9。インマニは東名製へ、カスタマイズされたB110サニー|1972年式 日産サニークーペ1200 GX5 Vol.3|痛快スポーツモデル

B110サニーのスポーティーグレードとして、5速ミッションを搭載する「GX5」が1972年8月に追加された。

       
【1972年式 日産サニークーペ1200 GX5 Vol.3】

Vol.2から続く

 B110サニーは、レースシーンでも輝かしい実績を残している。富士スピードウェイを舞台に開催された「TSレース」に参戦し、71年〜74年までシリーズチャンピオンを獲得しているのだ。そのレース仕様のB110サニーは、フロントスポイラー、リアスポイラー、前後にオーバーフェンダーを装備し、ワイドタイヤを装着。エンジンはA12型エンジンをベースに1.3Lに排気量アップされ、数々のチューンナップが施された結果、最終的には175ps/10000rpmを絞り出していた。ミッションは、レース用に1速から4速がさらにクロスレシオ化された「オプション1」というミッションが搭載され、抜群の速さをみせたのだ。

 1972年式GX5オーナーの片山浩さんは、そんなTSサニーに憧れた1人。

「18歳で免許を取った頃は、真っ先にB110サニークーペに乗ろうと思ったんですが、なかなか程度のいいクルマに巡り合えませんでした。5年ほど前に知り合いのクルマ屋さんから連絡をもらい、このタイミングを逃したら一生乗ることができないと思って購入しました」と、GX5への思いを語ってくれた。そのこだわりから、購入後はボディのレストア、エンジンのチューニング、ミッションとデフのOH、足回り、ブレーキ、内装など、あらゆる部分に手を加え、ようやく自分好みのGX5に仕上げることができたそうだ。

エンジンはA12型改1303cc仕様。ハイカムや軽量フライホイールなどによりレスポンスは抜群など【写真8枚】

1972年式 日産サニークーペ1200 GX5(B110)
SPECIFICATIONS 主要諸元
●全長 3825mm
●全幅 1515mm
●全高 1350mm
●ホイールベース 2300mm
●トレッド前/後 1240/1245mm
●最低地上高 170mm
●室内長 1620mm
●室内幅 1270mm
●室内高 1095mm
●車両重量 705kg
●乗車定員 5名
●最高速度 160km/h
●登坂能力tanθ 0.53
●最小回転半径 4.1m
●エンジン型式 A12型
●エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
●総排気量 1171cc
●ボア×ストローク 73.0×70.0mm
●圧縮比 10.0:1
●最高出力 83ps/6400rpm
●最大トルク 10.0kg-m/4400rpm
●変速比 1速 3.757/2速 2.374/3速 1.659/4速 1.254/5速 1.000/後退 4.040
●最終減速比 3.900
●燃料タンク容量 38L
●ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
●サスペンション前/後 ストラット・コイル独立/半楕円リーフリジッド
●ブレーキ前/後 ディスク/ドラム
●タイヤ前後とも 6.00-12-4PR
●発売当時価格 65.5万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年7月号 Vol.163(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 日産サニークーペ1200 GX5(全3記事)

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photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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