まるで新車のような初代ソアラ【1】発売当時価格 266.7万円。新開発の6気筒DOHCを搭載!|1981年式 トヨタ ソアラ2800GT

       
後に名車のひとつに数えられる新たなクルマの誕生は、じつに華々しく、そして鮮烈だった。
1981年2月にデビューした初代ソアラは、生まれなが らにして80年代の国産車が進む道を明 るく照らした。コンセプトは「スーパー グランツーリスモ」で、今までの技術を超えた最高級スペシャリティーカーを テーマに開発された。

注目したいトピックは数多くあるが、 まずは心臓部。エンジンは6気筒にこだわり、デビュー時にはソアラのために新開発された2.8L DOHCの5M-G型と、2L SOHCの1G型の 2つを搭載。同年7月に2L SOHCターボのM-T型を追加し、83年のマイナーチェンジ時には2L DOHCの 1G-G型を投入。さらにモデル末期の85年には、トップモデルのエンジンを3L DOHCの6M-G型へ異例のスイッチを敢行している。これらの高性能なツインカム・ストレート6がソアラの高い走行性能の源となった。

それを支えるシャシーも高性能で、四輪独立懸架のサスペンション、ワイドなトレッド、4輪ベンチレーテッド・ ディスクブレーキを採用。さらに、83年には減衰力を自動制御するTEMSを新たに設定。これはその他のトヨタ車にも採用されていくとともに、電子制御サスペンションの発展・進化の始まりでもあった。

そして先進のエレクトロニクスを駆使した装備も話題に。デビュー時からエレクトロニック・ディスプレイ・メ ーター(いわゆるデジパネ)や、目的地までの距離などを表示するドライブ・ コンピューター、設定速度で走行するオートドライブを投入。まさに新たな時代の幕開けを具現化したのだった。

>>【画像28枚】80年代の国産車の進む道を決定付けた偉大なる名車が新車のような姿で。ドアトリムには新車時のビニールが残っている

【2】に続く


2.8L の5M‐G型エンジンはデビュー時、最高出力170ps/最大トルク24.0㎏-mだったが、84年の改良で5ps/0.5㎏-mアップ。
>> 2.8L の5M‐G型エンジンはデビュー時、最高出力170ps/最大トルク24.0㎏-mだったが、84年の改良で5ps/0.5㎏-mアップ。


ソアラのデザイン上のアイコンのひとつとなっているクォーターサンシェードは2.8L と2L のVX以上に標準装備。最上級のリミテッドはスエード調となる。
>> ソアラのデザイン上のアイコンのひとつとなっているクォーターサンシェードは2.8L と2L のVX以上に標準装備。最上級のリミテッドはスエード調となる。


トランクリッドのグレード名エンブレム。「GT」と「DOHC-6」の文字はオレンジ。
>> トランクリッドのグレード名エンブレム。「GT」と「DOHC-6」の文字はオレンジ。

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1981年式 トヨタ ソアラ2800GT

主要諸元 SPECIFICATIONS


ソアラ 2800GT(MZ11)
●全長×全幅×全高(㎜) 4655×1695×1360
●ホイールベース(㎜)  2660 トレッド(㎜) 1440/1450
●車両重量(㎏)  1300
●エンジン型式  5M-GEU型
●エンジン種類 直列6気筒DOHC
●総排気量(cc) 2759
●ボア×ストローク(㎜) 83.0×85.0
●圧縮比 8.8:1
●最高出力(ps/rpm) 170/5600
●最大トルク(㎏-m/rpm) 24.0/4400
●変速比 1速3.285/2速1.894/3速1.275/ 4速1.000/5速0.783/後退3.768 最終減速比 3.727
●ステアリング ラック&ピニオン サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
●ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
●タイヤ 195/70R14(前後とも)
●発売当時価格 266.7万円

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【2】に続く

初出: ハチマルヒーロー 2018年 3月号 vol.46
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1981年式 トヨタ ソアラ2800GT(全3記事)
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TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO : HIROTAKA MINAI/南井浩孝

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