【5ドアハッチのセダンが好きだ! 1990年式 ダイハツ アプローズ QR-90 [2]】
エンジンは全車1.6ℓの直列4気筒SOHCだが、グレードによってインジェクション仕様とキャブレター仕様をラインナップ。駆動方式はFFが中心だが、ビスカスカップリングを用いたセンターデフ式フルタイム4WDも設定されていた。
アプローズは約11年という長い販売期間のなかで、数度の改良が行われている。まず90年5月には「アプローズθ(シータ)」に車名を変更。92年にはマイナーチェンジが行われ、フロントグリルの意匠を変更して前後バンパーを大型化。エンジンは全車インジェクション仕様となり、車名も以前の「アプローズ」に戻った。そして97年9月にもマイナーチェンジが行われ、フロントマスクやリアのデザインをリファイン。併せてインテリアもインパネ形状を変更するなど、質感を高めるための大掛かりな改良が施された。
今回取材したQR-90は、前期の終盤にリリースされた特別仕様車。わずか5カ月程度しか販売されていなかった希少グレードなのである。
ハチマル車のオーナーといえば、30代後半から50代が中心。しかし、この個体のオーナーは、18歳の学生で9月に免許を取得したばかり。そう、初めての愛車がこのアプローズなのだ。オーナーは以前からアプローズが好きだったが、現存数が少ないことを知っていたため、第二希望のトヨタ・コンフォートを探していた。しかし運良く、知人にアプローズを売却したい人を紹介してもらい、話はトントン拍子に。晴れて最愛のアプローズを手に入れた。そして約3カ月間で6000㎞を走破。始まったばかりのカーライフを満喫している。
>> 【画像17枚】一見すると普通のセダンに見えるが、リアゲートを開けるとご覧の通り。ゲートの裏側までトリムがあしらわれるなど、細部にまでこだわった作りだ。一方、室内側ではリアシートバックを前倒しするだけで広い空間が生まれる。シートクッションを引き起こしてからシートバックを倒すことでラゲッジルームの床面とフラットにできる2モーション機構付き【1】を読む>> 母親がビッグホーンに乗っていることもあり、古いクルマに対しての抵抗がまったくなかったといオーナー。そんな彼は「ソアラなども好きなんですが、自分で乗るならのんびりとしたクルマがいいと思ったんです」と、アプローズに決めた経緯を話す。そして、「ちょっとしたトラブルはいくつもありますが、よく走ってくれるし楽しいですね」と称賛。加えて「パーツがないので、とにかくぶつけないことを心がけています。あとエンジンの振動が大きいので、今後はエンジンマウントを交換したいです」と語った。
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主要諸元 Specifications
1990年式 ダイハツ アプローズ QR-90
●全長×全幅×全高(㎜) 4260×1660×1375
●ホイールベース(㎜) 2470
●トレッド前/後(㎜) 1425/1415
●車両重量(㎏) 1000
●エンジン型式 HD-E型
●エンジン種類 直列4気筒SOHC
●総排気量(cc) 1589
●ボア×ストローク(㎜) 76.0×87.6
●圧縮比9.5:1
●最高出力(ps/rpm) 120/6300
●最大トルク(㎏-m/rpm) 14.3/4800
●変速比 1速3.643/2速2.008/3速1.296/4速0.892/後退2.977
●最終減速比 2.821
●ステアリング ラック&ピニオン
●サスペンション ストラット(前後とも)
●ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
●タイヤ 175/70R13(前後とも)
●発売当時価格 133.5万円
初出:ハチマルヒーロー vol.45 2018年 1月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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