ライバルに勝つためのスカGターボ【2】1年4カ月しか生産されなかったジャパンターボ。オリジナルを維持するオーナー|1981年式 日産 スカイライン HT 2000ターボGT-E・S【2】

ゼロの位置が水平になる、水平指針メーターを採用。4つの小型メーターの左側には、イラスト上で警告個所を示すイラストモニターが配置される

【1】から続く
【日産 スカイライン ハードトップ2000ターボ GT-E・S vol.2】

1980年4月に登場した、スカイラインシリーズ初のターボモデル。

このターボモデルの登場によってジャパンのイメージが大きく変わるとともに、後に西部警察では渡哲也ふんする大門課長が駆る「マシンX」として大活躍。その結果、クルマ好きからだけでなく、一般ユーザーからの支持も集めたのだ。

ただしターボは、少し遅れて1980年4月に登場。そして、後継のR30がデビューしたのが81年8月だ。つまり、1年4カ月という短期間しか生産されていなかったということ。とはいえ「ジャパンターボ」のイメージはファンの心に強く残っており、それほどインパクトの大きなモデルだったのだ。

今では非常に珍しい、オリジナルを維持したこのジャパン。オーナーは、初めての愛車にS130Zを選ぶほどクルマ好き。
しかし、仕事の都合上じっくりと愛車と向き合う時間がなかったため、所有したクルマはすべて足グルマだった。

そんな状態が十数年続いたが、仕事が落ち着いたことを機に好きだったBMWを購入。しかし、映画「栄光への5000キロ」の影響を受けて今度は「510ブルーバードに乗りたい」と考えるようになった。

【画像17枚】他の車種を探していたオーナーが出合ったジャパン。ターボは5速MTのほか、3速ATのニッサンマチックも設定されていた。シフトノブの赤バッジはGT-E・Sのみ


コックピットもフルオリジナルを維持しており、ダッシュの割れも皆無。ステアリングは革巻き風で、GT-E・Sと同E・Xは2本スポーク。

コックピットもフルオリジナルを維持しており、ダッシュの割れも皆無。ステアリングは革巻き風で、GT-E・Sと同E・Xは2本スポーク。


インパネ右下にはフェンダーミラーの調整レバーがあり、その下に見えるのはオプションのピュアトロンのコントローラー。

インパネ右下にはフェンダーミラーの調整レバーがあり、その下に見えるのはオプションのピュアトロンのコントローラー。


GT-E・Sのみに装備される角度調整機構付きヘッドレストを採用したフロントシート。サイドの皮革部分がヤレてきたので、最近張り替えたそうだ。

GT-E・Sのみに装備される角度調整機構付きヘッドレストを採用したフロントシート。サイドの皮革部分がヤレてきたので、最近張り替えたそうだ。


リアシートもフロントと同じジャージー地。コンディションは抜群で、純正マットもキレイな状態を保っている。

リアシートもフロントと同じジャージー地。コンディションは抜群で、純正マットもキレイな状態を保っている。



Specifications 主要諸元
1981年式スカイライン ハードトップ2000ターボGT-E・S(GC211)

ボディカラー:ホワイト
全長×全幅×全高:4600mm×1625mm×1375mm 
ホイールベース:2615mm
トレッド前/後:1370mm/1355 
車両重量:1230kg
エンジン型式: L20ET型 直列6気筒SOHCターボ
総排気量:1998cc
ボア×ストローク:78.0mm×69.7mm
圧縮比:7.6:1
最高出力:145ps/5600rpm
最大トルク:21.0kg-m/3200rpm
変速比:1速3.592/2速2.246/3速1.415/ 4速1.000/5速0.813/後退3.657
最終減速比:4.111
ステアリング:ボールナット式
サスペンション:前ストラット//後セミトレーリングアーム
ブレーキ:ディスク(前後共)
タイヤ:185/70R14(前後とも)

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【3】へ続く

初出:ハチマルヒーロー vol.045 2018年1月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

日産 スカイライン ハードトップ 2000ターボ GT-E・S(全3記事)

TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO : TAKASHI AKAMATSU/赤松 孝

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