「DR」だけではないR30【3】「足こそクルマの命」。新型スカイラインに秘めた開発責任者の櫻井眞一郎さんの思い|1982年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000ターボ GT-E・S

ヘッドカバーは結晶塗装を再施工。ターボエンジンはスペックの数値は変わっていないが、ECCS化(マイコン制御)により、広い回転域で扱いやすさが増している。ターボは1900rpmから過給

【2】から続く

【1982年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000ターボ GT-E・S Vol.3】

【画像30枚】5代目スカイラインからインジェクション化されたL型エンジンにターボを装着、エンジン型式名はL20ET型となった。燃料噴射装置はデジタル式電子制御。ギャレット製のタービンの写真など

3代目ハコスカ、4代目ケンメリ、5代目ジャパンに続いて登場したR30スカイラインには誰もが驚くような最先端の新技術が導入されたわけではなく、既存の技術を磨き上げ、見直すことにより限界を高めている。
その結果、高い信頼性を保ちながら、5代目とは別物の走行性能を発揮することとなったのだ。そして、この素性の良さが、後に誕生する4気筒4バルブDOHCのFJ20型エンジンを搭載するRSシリーズの基礎となっている。

R30スカイラインのデビュー当時、開発責任者の櫻井眞一郎さんはインタビューで次のように述べている。

「今度のクルマは足に対して非常に神経を使いましたし、足こそそのクルマの命だと思って作りました。その点で、多少の心残りはあるものの、突っ込めるだけ突っ込んだという気がしています。『走り』というものも、あまり乗り心地を犠牲にしないで、いいスタビリティーを保ちたいということに終始してきたつもりです」

この開発コンセプトとポイントについては、開発メンバーひとりひとりが同じイメージ、同じベクトルを共有していた。だからこそ、これほどまでに完成度の高いスカイラインができ上がったのだ。


>>赤バッジのGTはターボGT-E・Sのみ。このグレードが「スカG」の血統であることを表している


>>ターボGT-E・Sは最上級に位置するグレードで、スポーティーさと豪華さを両立させている。セダンとハードトップに設定。

1982年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000ターボ GT-E・S(HR30)
主要諸元 Specifications全長×全幅×全高(mm) 4595×1665×1360
ホイールベース(mm) 2615
トレッド前/後(mm) 1410/1400
車両重量(kg) 1160
エンジン型式 L20ET型
エンジン種類 直列6気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 78.0×69.7
圧縮比 7.6:1
最高出力(ps/rpm) 145/5600
最大トルク(kg-m/rpm) 21.0/3200
変速比 1速3.592/2速2.246/3速1.415/
4速1.000/5速0.813/後退3.657
最終減速比 3.900
ステアリング リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 195/70HR14(前後とも)
発売当時価格 196.2万円

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【4】へ続く

初出:ハチマルヒーロー vol.044 2017年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1982年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000ターボ GT-E・S(全5記事)

TEXT : HIROMI TAKEDA/武田 公実 PHOTO : MASAMI SATO/佐藤正巳

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