第28回 東京モーターショー1989 ダイハツ編【1】幕張メッセでモーターショー初開催! 市販されたダイハツMS-X90「アプローズ」

90年代の使い勝手のいいファミリーカーを提案したアプローズ。ノッチバックスタイルだが、リアにハッチゲートを装備している。エンジンは1.6ℓの直列4気筒1カム4バルブだ

       
【1989年 第28回  東京モーターショー ダイハツ編 Vol.1】

【画像8枚】バブル真っ只中に開催された東京モーターショー。変革を遂げる中で出品されたダイハツのショーカーたち

バブルによる好景気を背景にイケイケムードが強くなったのが1989年だ。この年は新時代の幕開けを告げた年でもある。1月、昭和天皇が崩御し、年号は昭和から平成に変わった。

そして4月には物品税に代えて消費税が導入されている。ほとんどの商品とサービスに3%の税が課せられたが、物品税が廃止されたことによって自動車の販売価格は実質的な値下げとなっている。

イタリアンファッションがブームとなり、任天堂は携帯ゲーム機、ゲームボーイを発売。子どもたちは時を忘れて夢中になった。東京モーターショーも大きな変革を遂げている。

会場が、慣れ親しんだ晴海の東京国際貿易センターから、通称「幕張メッセ」と呼ばれる日本コンベンションセンターへと変わったのだ。フランクフルトとパリと並ぶ国際的ショーへと成長し、出展者も展示台数も増えた。

日本でもっとも長い歴史を誇る量産自動車メーカーがダイハツだ。1987年に創設から80年の節目を迎えた。1989年の第28回  東京モーターショーでは次のステップへ駆け上がるダイハツの意気込みが感じ取れる。ショーの展示はコンパクトカーと軽自動車が中心だったが、その展示においては上級志向も顔をのぞかせた。

アプローズ

春のジュネーブショーに参考出品したMS-X90は、7月に「アプローズ」の名を冠して市販に移されている。4ドアセダンに見えるが、アプローズはリアにハッチゲートを備えた使い勝手のいい個性派5ドアセダンだ。エンジンは1.6Lの直列4気筒SOHC4バルブで、電子制御キャブと電子制御燃料噴射装置を設定した。ショー会場でも高い評価を獲得している。


すべての画像を見る

【2】へ続く

初出:ハチマルヒーロー vol.044 2017年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

第28回 東京モーターショー1989 ダイハツ編(全5記事)

TEXT : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 PHOTO : JAMA/一般社団法人 日本自動車工業会

RECOMMENDED

RELATED

RANKING