日独コラボモデルである情報収集艦デボネアAMG【ゴリラ・警視庁捜査第8班 2-2】三菱 デボネアV 3000 ロイヤル AMG

反転式パトランプはGⅠと同様の構造で電動式。スムーズに動作していた。その後ろには特殊アンテナを装着している

【1】から続く>> 

特殊車両のなかでもGⅥと並び登場シーンが多かったGⅢ(デボネアAMG)。元モデル、デボネアVは1986年に2代目となった三菱のフラッグシップモダンである。

【ゴリラ・警視庁捜査第8班 2-2 三菱 デボネアV 3000 ロイヤル AMG】全ての画像を見る

 その一方で、多様化するニーズと強力なライバルに対応するため、三菱はよりパーソナル色を濃くしたモデルを画策。ドイツのAMG社に白羽の矢を立て、監修を依頼した。こうして生まれたのがデボネアAMGだ。AMG社は高級車然としたデボネアに、大型グリルやエッジの利いたエアロパーツを装着。その効果は絶大で、デボネアの標準車と並べても同一車種とは思えないほどの変ぼうぶり。スポーティーで圧倒的な迫力を与えることに成功した。だが、そのスタイルはあまりにも独特すぎて、なかなか一般には受け入れられなかったのは事実だ。

 しかし、テレビ画面のなかで見るデボネアAMGは、とびきりカッコよく映った。特殊車両のGⅢには、秘話通信とナビシステム、一般照会からなる通信管制システム、敵・味方識別装置と危険予知警告システムで構成される早期警戒システム、航空機や船舶用も受信可能な特殊無線といった、基本的な特殊システム・装備しか搭載されていない。その点で、最も普通の車両だ。

 それでも特殊車両で最多の登場回数を誇ったのは、派手な見た目と風間のドライビングとの相乗効果によるところが大きい。西部警察ほどのカーアクションがなかったゴリラのなかで、リアを流しながら走るGⅢと風間は、テレビの前に座る子どもたちの目に、ヒーローのように映ったのだった。
【画像21枚】前期AMGは上質なルーズクッションシートで、GⅢにもそのまま採用された。ちなみに、後期AMGはサポート性の高いパーソナルシートに変更されている。後席も同様のルーズクッションシートで、ソファのような掛け心地



>>エンジンはドラマ使用後に長らく保管されていたためにオイルが固着。なので、正確な時期は名言できないがオーバーホールをしているようだ。



>>オーソドックスな2眼アナログメーターの左上に、燃料、水温、電圧計とエアコンディスプレイを配置。走行距離は1万9000km台。登場シーンを考慮すると、意外と少ない。



>>メーンコンピューターは本部のコンピューターと無線データ通信が可能。4インチカラーディスプレイには地図や追跡情報をはじめ、各種情報を表示。その下は無線機、一番下にはESCの純正モニターをそのまま移設。

【1】から続く

三菱 デボネアV 3000 ロイヤル AMG(全2話)
初出:ハチマルヒーロー 2017年9月号 Vol.43

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

関連記事:総力特集!ゴリラ!

TEXT:Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

RECOMMENDED

RELATED

RANKING