流面形セリカに1年4ヶ月後に追加! トヨタ初のフルタイム4WD+ターボ|1986年式 トヨタ セリカ 2000GT-FOUR【1】

流面形セリカ、そのハイパフォーマンス・スポーツ、2000GT-FOUR

       
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 1980年代と言えば、革新的な技術が続々と投入された時代。なかでも、ターボとフルタイム4WDという2つは、クルマの性能を一気に向上させたメカニズムだった。ここに登場するST165セリカGT-FOURも、それらの飛び道具により他を圧倒するパフォーマンスを手に入れた。

 GT-FOURは、T160系のデビューから約1年4カ月後の86年10月に登場。エクステリアはフォグランプが埋め込まれたフロントエアダムが特徴だが、それ以外に大きな変更点は見当たらない。しかし中身は別物で、駆動システムはトヨタ初のフルタイム4WDを採用。2WD/4WDを切り替えるパートタイム式と違い、常時50対50の駆動力が前後輪に伝わっていることと、フロントデフとリアデフのほかにセンターデフが備えられていることが特徴だ。これにより、前後のタイヤの回転差を吸収し、スムーズかつ高次元のコーナリングを実現。また、センターデフにはデフロック機構を備えているので、ロックすれば前後輪の回転差動がなくなり、滑りやすい路面での発進や脱出に効果を発揮してくれるのだ。

 エンジンは、既存の3S-GE型にターボをドッキングした3S-GTE型を搭載。7M-GT型にも採用されるトヨタ内製のCT26型タービンと水冷式インタークーラーを組み合わせ、最高出力185psを発揮。併せて、シリンダーブロックの剛性を高め、水冷式オイルクーラーを装備することでハイパワー化に対応させている。また、サスペンションはダンパーの減衰力やバネレートを高め、スタビライザー径も拡大。リアサスペンションは、ハイパワー化と4WD化に対応するために新設計し、軽量かつ強靭なサブフレーム構造のサスペンションメンバーが採用された。そして、ブレーキやパワーステアリングの容量も拡大されるなど、トータルでの改良が施されている。

【画像22枚】ボディサイドの「GT-FOUR」のロゴが、ハイパフォーマンスを主張。GT-FOURのミッションは、スポーツグレードらしく、5速MTのみとなっていた



>>GT-FOURは専用デザインのフロントエアアムを採用し、丸型の大型フォグランプを装備。ラリーマシンのイメージを打ち出している。



>>純正アルミホイールのデザインとタイヤサイズはGT-Rと同じ。ただしGT-FOURのタイヤは、ピレリ・P600が標準装備だった。



>>GT系は全車にデュアルマフラーカッターが装着されるが、GT-FOURのソレは形状が異なる。全長が短く、切り口も垂直なのだ。

トヨタ セリカ 2000GT-FOUR(ST165)
全長×全幅×全高(mm) 4365×1690×1295
ホイールベース(mm) 2525
トレッド前/後(mm) 1465/1440
車両重量(kg) 1350
エンジン型式 3S-GTE型
エンジン種類 直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 86.0×86.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 185/6000
最大トルク(kg-m/rpm) 24.5/4000
変速比 1速3.583/2速2.045/3速1.333/4速0.972/5速0.731/後退3.583
最終減速比 4.285
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ(前/後) ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 195/60R14(前後とも)
発売当時価格 297.6万円

【2】へ続く

1986年式トヨタ セリカ 2000GT-FOUR(全3記事)

初出:ハチマルヒーロー 2017年5月号 Vol.41

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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TEXT:Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO:HIROTAKA MINAI/南井浩孝

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