ヒストリックカーレースの最高峰、ル・マン・クラシックが2016年も開催された。相変わらず盛況だったが、今回は人気のグループCカーレースも組み込まれ、かつてない盛り上がりを見せていた。そして、目についたのが日本勢の存在。かつてル・マンやJSPCを走った車両が再びル・マンを快走した。その様子をお伝えしよう。
【健在なり、日本のグループCカー vol.8】
日本のプライベートポルシェ勢はル・マンにも遠征した。JSPCの車両を送るか、海外有力チームのポルシェをレンタルして走らせるか、方法はいろいろあったが、そうした中で好成績を残したのがアルファレーシングの黒いポルシェ962Cだった。
ル・マンの6kmのストレートがふたつのシケインで分割された90年、従来どおりロングテール仕様を用意するポルシェチームが多い中、アルファとブルンはコース特性の変化を読み、ショートテール仕様を持ち込んでいた。
結果は、ブルンが最終盤まで2位で頑張り(エンジンブロー)、アルファが3位でゴールする快走を見せていた。もう少し話題になってもよかったが、ドライバーが全員外国人(ティフ・ニーデル、デビッド・シアーズ、アンソニー・リード)ということもあってか、日本での認知度は低かった。
【画像17枚】海外で好成績を残したアルファレーシングの黒いポルシェ。日本での認知度は低かった>>打倒ポルシェ956を目指してランチアが繰り出したLC2。前面投影面積を小さくし抵抗を減らすことが戦闘力向上のカギと考えた小柄なクルマだったが結果は不発。それまでポルシェが使ったマルティニカラーが印象的だった。
【9】へ続く初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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