史上初にして最後の5ドアハッチバック|日産 スカイライン ハッチバック 2000ターボGT-E・X【2】

反転文字の「GT-TURBO」デカールは当時の純正オプション。フォグも純正オプションで、レンズ部分にはグリルに付けられるエンブレムが刻まれている

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そのひとつがボディタイプだ。スポーティーなスカイラインのイメージといえば、2ドアクーペかセダンだろう。しかし、R30ではスカイライン史上初にして最後の5ドアハッチバックが設定されたのだった。その理由をひと言で言ってしまえば、多様化するユーザーニーズに応えるため。

70年代後半になると各メーカーともに小型車から大型車まで、車種ラインアップの拡充が顕著になった。それとともに、ユーザーのカーライフも多彩になっている。そのような背景のひとつの回答が、5ドアハッチバックだったのだ。

ダイナミックなウエッジシェイプを基調とした躍動感あふれるデザイン。2ドアハードトップ、4ドアセダンともに、スポーティーなスタイルはR30スカイラインのアイデンティティーだ。

それは5ドアハッチバックでも見事に表現されている。4ドアセダンのCピラー以降を大きなテールゲートとしているが、傾斜を緩やかにすることでクーペのようなシャープなスタイルを実現。

ここが一般的なワゴン(当時はバン)とは大きく異なるポイントで、スカイラインらしいスポーティーさを生み出している。それでいてハッチバックの利点である大きな開口部や5対5分割可倒の後席によるラゲッジスペースの拡大など、高い実用性を確保している。

【画像20枚】一般的なワゴンと大きく異なるスカイラインらしいスポーティーさを実現している。Cピラー以降がセダンと大きく異なる部分で、ワゴンのようにハッチが立っていないクーペスタイルがスタイリッシュ


>>14インチの純正スチールホイール。センターキャップには「S」マークが入る。


>>「2000GT TURBO」とピンストライプはレプリカではなく純正オプション品。ここまでキレイに残っているのも珍しい。


スカイライン ハッチバック ターボGT-E・X(HR30) 主要諸元


全長×全幅×全高(mm) 4595×1675×1385
ホイールベース(mm) 2615
トレッド前/後(mm) 1410/1400
車両重量(kg) 1205
エンジン型式 L20ET型
エンジン種類 直列6気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 78.0×69.7
圧縮比 7.6:1
最高出力(ps/rpm) 145/5600
最大トルク(kg-m/rpm) 21.0/3200
変速比 1速2.842/2速1.542/3速1.000/
後退2.400
最終減速比 3.900
ステアリング リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185/70SR14(前後とも)
発売当時価格 203.3万円

【3】へ続く

初出:ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

日産 スカイライン ハッチバック 2000ターボGT-E・X(全3記事)

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TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO : AKIHIKO OUCHI/大内明彦

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