「今でも守り続けています」良き思い出は家族4人で行った花火大会|1986年式 日産 レパード XS-Ⅱ コンバーチブル【3】

シャープな佇まいは、白い貴公子といっていいほど美しいフォルムを見せる。幌の収納もボディシェイプに違和感を及ぼす設定ではなく、市販レベルのデザインだ

【2】から続く

今回の取材車両には謎が包まれており、どのような目的で製造されたか分からなかった。後に、おそらく放送宣伝用車両である可能性が高まった、それはそうと、電子制御とオープンエアという時代を先取りした存在がこの車両である。

【1986年式 日産レパードXS-Ⅱ vol.3】

 現オーナーが入手したのは、2001年6月。それから取材時まで15年以上も所有している。レパードが好きというより、4座のオープンモデルを探していたという。以前にはトヨタ・スポーツ800を所有したことがあるほどのオープンカー好きだ。だが家族でドライブもできないクルマでは、理解が得られず4座のオープンカーを探してきた。

「このクルマは、正規モデルではないことから、幌の設定など市販レベルとは異なる部分も多く、セキュリティ面で気遣いが必要なんです。目を離すことができないため、気軽に駐車はしませんし、屋根付き車庫も必須。購入時に心得を伝授してもらってから、今でも守り続けています。」

 そんな、オーナーの努力により、今のコンディションを維持している。しかし電子制御パーツの入手が困難なため、今後もオーナーの苦労は絶えないはず。しかし特別仕様のモデルを所有するオーナーとしての喜びを実感してほしいし、今後も大事に乗っていてもらいたい。

【画像20枚】車内インテリアやエンジンなど。グラフィカルデジタルメーターは、今でもしっかり作動している。右ドアには、パワーウインドーのスイッチとリモコンミラーのコントローラーが設置されている。ドアにも電子制御が備わっている



>>ステアリングのスイッチは、右列がクルーズコントロール。左列はオーディオのコントロールをするためのもの。



>>ミッションは4速AT。コンソール中段下側はオリジナルのカセットデッキ。上段はオーナーが後付したCDプレーヤー。





OWNER’S VOICE

オープンの4座がマストだったことからの選択

オーナーは、家族に愛されるオープンカーを望んでいた。良き思い出は、家族4人で行った花火大会。クルマに乗ったまま鑑賞できたことから、家族に喜ばれたことが今でも印象に残っているという。その後は、倉庫を占拠してしまうことからネガティブな存在になったという。そんな状況に耐えながら、いつでも動かせる状態をキープしている。貴重なクルマだけに、大切にしたい気持ちを家族と分かち合いたいとい願うオーナーなのだ。




1986年式 日産レパードXS-Ⅱ

全長×全幅×全長(mm) 4680×1690×1370
ホイールベース(mm) 2615
トレッド前/後(mm) 1435/1435
車両重量(kg) 1370
エンジン型式 VG20ET型
エンジン種類 V型6気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 78.0×69.7
圧縮比 8.5
最高出力(ps/rpm) 155/5600
最大トルク(kg-m/rpm) 21.3/3600
変速比 1速2.842/2速1.542/3速1.000/4速0.686/後退2.400
最終減速比 4.111
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 205/60R15(前後とも)
発売当時価格 特別仕様のため価格不明


【1】【2】から続く

初出:ハチマルヒーロー 2017年3月号 Vol.40
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1986年式 日産レパードXS-Ⅱ(全3記事)

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TEXT:HACHIMARU HERO/編集部 PHOTO:MOTOSUKE FUJII/藤井元輔(サルーテ)

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