【2】から続くLZ型エンジンの外観、仕様の確認にはじまり、前回はオイルパンをはぐって腰下をチェックした。いよいよ今回は、ヘッドカバーをはずして本丸のヘッドを検証!
【珍車秘宝館 第18回 LZ型エンジン 3 vol.3】
もちろん、当時の最新レーシングユニットですから、新しい技術が採用されていて、16本の吸排気バルブはチタン製ですし、カム駆動はギアとチェーンを組み合わせています。クランク側が4ステージのギアドライブで、カム側がダブルローラーチェーンです。
このチェーンにもこだわっていて、ピッチが狭く、細くて軽いチェーンを使っています」とヘッドの内部をを検証しながら解説する館長。そのままインテークマニホールドをはずしてポートのチェックも行なっている。
「マグネシウム製のインマニにクラックがないか心配で……。どこにもクラックが入っていないので安心しました」
この先は、「OHする時のお楽しみ」といってLZ型を片付ける館長。それまで全バラはおあずけとなった。
【画像12枚】当時の最新レーシングユニットらしく、新しい技術が採用されている。チェーンにまで細かなこだわりが。>>ポートは丸を2個つなげた形状で、中央の隔壁は尖っている。
>>クラッチはAPレーシングのツインプレートが装着されていた。ディスク直径は184mmで、メタルディスクだ。また、フライホイールが白っぽく見えるのは、軽量化のためにアルミ製が採用されているため。スチール製のリングギアを組み合わせている。
>>ディスクフェーシング部の厚さが、片側1mmにも満たないワンレース用。耐久性は全く考えていない、完全レース用クラッチだ。
【1】【2】から続く初出:ノスタルジックヒーロー2018年10月号 Vol.189
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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