【FP用LZ型エンジン】S20型エンジンと比べるとヘッドの幅が広いことに気づく|珍車秘宝館 第18回 【2】

カムシャフトの支持をヘッドと一体ではなく、カムホルダーによる別体式にすることで、34度の狭角ヘッドを実現。また、カムはチェーン駆動だが、クランクからは4ステージのギアであげている。

【1】から続く

LZ型エンジンの外観、仕様の確認にはじまり、前回はオイルパンをはぐって腰下をチェックした。いよいよ今回は、ヘッドカバーをはずして本丸のヘッドを検証!

【珍車秘宝館 第18回 LZ型エンジン 3 vol.2】

S20型の存在感のあるヘッドに比べると、LZ型のヘッドは確かに幅が狭いことに気がつく。

「LZ型が狭いバルブ挟み角で成り立っているのは、カムシャフトやバルブリフター支持をヘッド一体ではなくて、別体式にしてあるからです。

組み立て順序でいうと、ブロックの上にヘッドを載せてヘッドボルトを締めて、その上にカムホルダーのセットを載せて締め付ける方式です。これは、LZ型が初ではなくて、海外のバルブ挟み角の狭い当時のレーシングエンジンではよく採用されています。

66年コスワースFVA、68年BMWのM12/1などもカムホルダー方式です。この方式を採用することで、バルブ挟み角34度、燃焼室は理想的な浅いペントルーフ型で、圧縮比は11.5〜12にできたんだと思います。

【画像12枚】当時のレーシングカーのエンジンによく見られた組方式が見られるLZ型エンジン


>>S20型のヘッド。プラグホールの周囲に配置されている六角ボルトがヘッドボルトで、これを避けてカムシャフトが配置されるため、幅が広くなっている。


>>館長が持っているチェーンの切れはしは、日産L型用。同じように見えるが、LZ型用はピッチが狭くて細く、軽いカムチェーンを使っている。


>>写真の下側がLZ型用のネジ径10㎜のCサイズ。締め付けに注意が必要だ。上はL型用のBサイズで、ネジ径14㎜だ。



【3】へ続く


初出:ノスタルジックヒーロー2018年10月号 Vol.189
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

珍車秘宝館 第18回(全3記事)

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photo&text:珍車秘宝館 館長

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