純国産のクルマ生産を目指した日産。「ダットサン」ブランドの誕生|1959年式 ダットサン1000【1】

近代化の礎となった誇り高き1000cc。ダットサン1000

       

【1959年式 ダットサン1000vol.1】

オースチンとの技術提携をしていた日産は、純国産のクルマ生産を目指していた。そして生まれたのが1955年に発売されたダットサンB110型。サイドバルブ860ccエンジンで25 psという、やや古典的なエンジンを搭載していた。B110のデビューにより、日産は量産体制、一貫生産体制などを整備し、自動車メーカーとして盤石な礎を築いた。トヨペットコロナ、日野ルノーなどのライバルの存在も功を奏して、日産が飛躍するきっかけを作ったモデルだ。

57年にはダットサンの2代目となるダットサン1000が誕生。エンジンは新開発のC型エンジンを積む。OHV988ccで34 psを発揮した。カーブドグラスを採用するなど、自動車の近代化が一気に進められた。

ハードなレース展開で知られていた豪州ラリーに参戦。富士号と桜号を走らせて、クラス優勝を果たした。この健闘から、輸出も伸び、日産はさらに飛躍することになったのだ。当時はタクシーなどの営業車両への転用も多く、ダットサン1000は一般人からしても印象深い存在であった。

【画像18枚】オースチンとの技術提携から、純国産のクルマづくりへ、「ダットサン」が誕生する。プレス仕上げのフロントグリルはブラックで一部を塗装し、より立体的な印象。クランク棒でエンジン始動も可能。エンジンの調子もよく、簡単にエンジンが掛かる


>>近代化の礎となった、誇り高き1000cc



>>ホワイトリボンタイヤはFireStone製。VWのパーツで見つけた輸入パーツだ。ホイールキャップもしっかりと残っている。


1958年式ダットサン1000(B210)

全長(mm)
3860
全幅(mm)
1466
全高(mm)
1535
ホイールベース(mm)
2220
車両重量(kg)
925
エンジン型式/種類
C型/直列4気筒OHV
総排気量(cc)
988
最高出力(ps/rpm)
34/4400
最大トルク(kgm/rpm)
6.6/2400
サスペンション前/後
リーフ/リーフ
ブレーキ前/後
ドラム/ドラム
タイヤ
5.50-15-4P



初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 8月号 Vol.194

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1959年式 ダットサン1000(全3記事)

関連記事:1950年代の旧車たち

【2】に続く

TEXT:KEISHI WATANABE/渡辺圭史 PHOTO:MASAMI SATO/佐藤正巳

RECOMMENDED

RELATED

RANKING