雨が降っていようと何しようと、年間1万キロペースで日常的に乗っているオーナー|フェアレディZ + L28型改3.2リットル【2】

初参加のドラッグレースで12秒台を出してしまったオーナー

学生時代から通い詰めたプロショップと信頼関係を築き、念願かなって13年前にZG仕様のS31Zを手に入れたオーナー。「自分でできることは自分でする」をモットーに、年間1万㎞のペースでガンガン乗り倒しているが、メカトラブルとは無縁。タフで壊れないチューンドZが導く、快適な旧車ライフを楽しんでいる。

【1】から続く

【魔性の魅力! チューンドS30Z フェアレディZ + L28型改3.2リットル Vol.2】

【画像27枚】燃圧計とオーディオを追加している以外はノーマルの状態を保つコックピット。オーナーも「ノーマルの雰囲気を残したいだけで、正直あまりこだわりはありません(笑)」と語る。シートも純正だが、走行距離を考えると状態はかなり良好だ

若きオーナーについて、スターロードの井上代表にも出会いを振り返ってもらった。
「最初に来た時はZを買うにはまだ早かったけど、たしか1年半くらいバイトでお金を貯めてジャパンを買ったんだよね。当時は家が近かったから自転車でしょっちゅう来てたよ。大学も卒業して、無事に就職も決まって。自分で働いて稼いだお金でようやくZを買ったんだよね。それから一度遊びでドラッグレースに連れていったんだけど、初めてなのにいきなり12秒台で走っちゃってさ。なんかよく分かんないけど昔からそういう奴なんだ」

井上さんがそう語る通り、現在は無線機器メーカーに勤めるオーナーは、就職を機にスターロードで念願のZを購入。しかも、その個体はあこがれだった240ZG仕様に当初からカスタムされていたのである。

「ZGスタイルのルックスは今でも一番気に入っているポイントですね。見た目をいじり過ぎるのはあまり好きではなくて、エンジンや足まわりなどの走りにかかわる部分をチューニングすることが自分の中でのテーマです。Zを買ってからも自分でできることは自分でやるように心がけてきました。購入当初に一度ドンガラにしてレストアしているんですが、その作業もできる範囲でお手伝いして。ボディは剛性を上げるために、パネル接合部を少しだけスポット増ししています」

ドラッグレース初参加で12秒台を出してしまったオーナーだが、実はクローズドコースを汗だくで走ったり、カリカリにチューニングすることは、あまり性に合わないのだとか。念願かなって手に入れたZを猫可愛がりすることもなく、雨が降っていようと何しようと、年間1万㎞ペースで日常的に乗っているという。
「だって、生きているうちに乗らなかったら損じゃないですか。クルマはこれ1台しかないので、どこへ行くにも一緒です。夏場でも乗れないと困るので、3層ラジエーターとオイルクーラーで熱対策はしっかりやってあります。それからスターロードのクーラーボルトオンキットを取り付けて、室内の温度も快適に保っています」


>> エンジンはL28型改3.2リットル仕様。



>>前後ダンパーはスターロードのフルタップ30段調整機能付き車高調を装着。バネレートはフロントが8kg/mm、リアが6kg/mmとなっている。
常に路面がいいとは限らないストリートをメインに走るオーナーの乗り方に合わせたセッティングを行っている。



>>キャブレターにはソレックスの50PHHを使用。燃料の供給ラインにはスターロードオリジナルのL型フューエルパイプを採用し、美しくレイアウトしている。


【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.023 2020年2月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1976年式フェアレディZ+L28型改3.2リットル(全3記事)

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TEXT:HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 PHOTO:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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