レストアはこれで終了ではない。ナンバー取得を目指し、エンドレスではさらなるプロジェクトが|エンドレスが挑む もう一度走りたかったチェリー【3】

リアスポイラーはチェリーを知り尽くした竹口自動車オリジナルのパーツ。リアコンビネーションランプが特徴的で、リアビューが人気のモデル


納屋の中で見つかった1台のチェリー。走ることへの意欲を感じさせながらも、長らく眠っていたボディが路上復帰を拒んだ。そこでエンドレスがチームを組み、新たなプロジェクトをスタートさせたのだった。

【エンドレスが挑む もう一度走りたかったチェリーX-1R vol.3】

 チェリーのレストアはこれで終了したわけではない。いまだに不足パーツを探している。実はこのクルマ、書類がない。オーナーが書類をなくしてしまって、自分のクルマであるにもかかわらず、書類を出せないというクルマだった。

 エンドレスではナンバー取得を目指して、法的手続きを進めている。クルマを正規に走らせたいという思い出がチームを動かし、新たな方法を見つけたのだ。

 9月頃からスタートして、クルマが完成したのは「クリスマスプレゼント」だったというように、12月25日のこと。作業は非常にタイトだったが、みんながやる気になっていたからこそ実現できたと花里社長(当時)はいう。協力企業、スタッフによるエンドレスのチーム力がまた奇跡を起こしたといっていいだろう。

 クルマを展示すると、各方面からパーツ提供オファーが舞い込んできた。もしかしたら、不足しているゴム類なども出てくるのではと、エンドレスでは期待を寄せている。そして、ナンバープレートが取れたら、イベントに積極的に参加したいという。公道を走るエンドレスチェリーを早く見てみたい。

【画像20枚】レストアを終えた後のエンジンルームなど。ラジエーターとホースは竹口自動車製。エンジンチューンにM.D.Iなどが追加されている。レストアは一区切りついたものの、まだまだ終わりではない。ナンバー取得を目指す


>>マフラーは藤壺技研工業によって製作された。クルマをエンドレスで引き取り、すぐに工場へ持ち込み、採寸を行なっている。クルマが完成した時点で取り付けたが、修正することもなく、すんなりと取り付けられた。エンドにはフジツボの古いロゴが記されている。


>>ロアアームのギリギリの位置にオイルパンが来ているのが分かる。最低地上高を確保するために苦労したポイントがここだった。


>>エンドレスのレストア車両は安全で快適に乗れることが第一条件。足回りにはしっかりと同社のパーツが組み込まれ、フロントは旧車とのマッチングの良い4POTキャリパー「S4F」を採用。しっかりと止まる安心感がある。




初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 6月号 Vol.193

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


エンドレスが挑む もう一度走りたかったチェリー(全3記事)


関連記事: エンドレスが挑む

text:Keishi Watanabe/渡辺圭史 photo:Isao Yatsui/谷井 功

RECOMMENDED

RELATED

RANKING