28歳という若さで、なぜ240ZGをそしてTC24-B1Zを選んだのか|フェアレディ240ZG + TC24-B1Z【1】魔性の魅力! チューンドS30Z 

国内外で今もなお高い人気を誇る240ZG

       
世界で一番売れたスポーツカーといわれるS30Zだが、国内、国外を問わず、今なお熱い視線を浴びている。日本国内のZシーンも活況で、ノーマルな外観にTC24-B1Zを搭載した240ZGを筆頭に、L28型チューンド、ワイドボディー、RB26DET型スワップなど、5台のスペシャルなZを紹介する「魔性の魅力 チューンドS30Z」特集をお送りしよう。

【魔性の魅力! チューンドS30Z フェアレディ240ZG + OS技研 TC24-B1Z Vol.1】

【画像34枚】OS技研の伝説のツインカムエンジン「TC24‐B1」を搭載した240ZG

 OS技研が手がけた伝説のツインカムエンジン「TC24‐B1」。6気筒のL型ブロックに、メーカーさえ作らなかったDOHC24バルブのオリジナルヘッドを組み合わせた。クロスフロー化による吸・排気効率の向上やセンタープラグ化による燃焼効率の追求により、最高出力325㎰/7400rpm、最大トルク33㎏‐m/6100rpmを誇った。しかし高値だったこともあり、生産されたのはわずか9基のみ。「幻のエンジン」と語り継がれた。

 それから30年という長い年月を経て、現代によみがえったのが、「TC24‐B1Z」だ。DOHC24バルブという基本設計はそのままに、オイル循環方式やロッカーアームの変更、カムホルダーやカムギアトレインの採用を行うなど改良を行った。これにより許容回転は10000rpmを達成。3.2L仕様のデモカーで行ったシャシダイテストでは、最高出力420㎰/9000rpm、最大トルク40㎏‐m/8000rpmを発揮している。

 まさに究極のL型コンプリートユニットとなったTC24‐B1Z。その実力をレースの世界でも実証。2019年4月、OS技研がワークス体制で挑んだ「JCCA富士ジャンボリー」。オカザキスピードTC24Zは、圧倒的な速さで総合優勝。それと同時に、1分53秒637という大会レコードを記録している。

 そんな至高のエンジンを極上のフェアレディ240ZGに搭載したのがこの1台。三重県に住むオーナーは「だれとも同じじゃない1台を作りたい」という強い信念を持ってクルマ作りに取り組んできた。彼は、なんと28歳という若さ。なぜ240ZGを、そしてTC24-B1Zを選んだのだろうか?


>> S30Zのロングノーズ・ショートデッキのデザインからさらに美しさを増した240ZG


>> L24型エンジンを搭載した240Zに、全長が190mm長くなるエアロダイナノーズ(Gノーズ)とオーバーフェンダーを装着したのが240ZGだ。


>> 旧車乗りの定番ホイール、ハヤシストリート。リムの深さにばかり目がいきがちだが、仕上げにひと工夫していて、オリジナルでは黒く塗装されているスポークサイドを梨子地のシルバーに加工して一体感をアップしている。


1972年式 フェアレディ240ZG + OS技研 TC24-B1Z

SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:オールペイント、セミレストア
■エンジン:OS技研TC24-B1Z(L24型ベース)
■吸排気系:ソレックス50PHH、K&Nエアクリーナー、OS技研製等長タコ足(6-1)、φ70㎜ステンレスマフラー
■点火系:OS技研製デスビ、MSD
■冷却系:ラジエーター3層加工、13段オイルクーラー
■駆動系:OS技研製T3AS(特注トリプルメタル+特注軽量フライホイール)、FS5W71B改
■燃料系:ボッシュ製燃料ポンプ
■サスペンション:スターロード製全長調整式フルタップ車高調、亀有製ウレタンブッシュ
■ブレーキ:(F)プロジェクトμ製ブレーキパッド
■タイヤ:TOYO DRB(F)195/55R15  (R)205/50R15
■ホイール:ハヤシレーシング(F)15×9J -13 (R)15×9.5J -19
■インテリア: タコメーター加工(10000rpm)、日本精機Defi製メーター(油圧、油温、水温)


【2】に続く

photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) /text:DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔

RECOMMENDED

RELATED

RANKING