「Gノーズのカッコよさにほれ込みましたね。ただ買うなら、本物の240ZGでないとイヤだったんです」｜フェアレディ240ZG + TC24-B1Z【2】魔性の魅力！ チューンドS30Z

美しいロングノーズデザインが人気のオリジナル240ZG。ほどよく車高を落としてホイールを換えたくらいの正統派スタイルで、オーナーもオリジナルにこだわっている。ところが、ボンネットの中は、外観とのギャップに驚く!　心臓部に収められたのは、OS技研の6気筒DOHCユニットのTC24-B1Z。夢のコラボレーションが、いま完成した!

【魔性の魅力！ チューンドS30Z　フェアレディ240ZG + OS技研 TC24-B1Z　Vol.2】

【1】から続く


【画像34枚】「タイムマシンガレージ」でついに出合った理想的な240ZG

　運転免許を取得するとすぐにフルチューンのFC3Sを購入し、峠などで走りを楽しんでいたオーナー。典型的なクルマ好きの一家に育ち、当時は父もFC3S、兄はFD3Sを所有。実家には3台のロータリーマシンが並んでいた。そして、それほどのスポーツカー好きであった父の影響を強く受けて育った彼は、やがて父が昔からあこがれていた240ZGに乗りたいという思いを強く抱くようになっていく。
「Gノーズのカッコよさにほれ込みましたね。ただ買うなら、本物の240ZGでないとイヤだったんです。いろんな中古車屋さんを回りましたが、なかなか納得がいくコンディションのZGが見つからなくて……」

　それもそのはず、Gノーズやオーバーフェンダーで武装し、L24型ユニットを搭載した240ZGは、S30Zのなかでも希少性が高い人気モデル。しかもオーナーは、当時のままのオリジナルであることはもちろん、コンディションにもこだわっていた。気になる中古車を見つけては遠方まで出向いたが、希望にあった車両は見つからなかったという。

　そんな時、日頃からお世話になっていた三重県亀山市の「タイムマシンガレージ」に、たまたま入庫したのが現在の愛車となった240ZGだ。エンジンを降ろしてリフレッシュするために持ち込まれたのだが、あまりの程度のよさに「このクルマしかない」と確信したオーナーは、意を決して譲ってもらえないかと直談判することに。

　とはいえ、前オーナーも大切に所有していた240ZGで、簡単に首をタテに振ってくれるわけがない。はじめはずっと断られていたが、何度も、そして辛抱強く、その思いを伝え続けたところ、約1年後にようやく譲るという返事をもらえたそうだ。



>> 関宿の街並みを走る240ZG。ちなみにヘッドライトカバーも貴重な純正だ。


>> 地元の旧東海道、関宿は、古い街並みが残る。


>> 走行距離4万2000kmの極上車。TC24搭載車とは感じさせないフルオリジナルの車内が新鮮だ。ダッシュボードのヒビ割れもなく極上のコンディション。ウッドステアリングやシフトノブも当時のまま。電動パワステやクーラーを付けるつもりはないそうだ。


>> シートもオリジナル。運転席のみ張り替えており、コンディションは上々。破れや色あせは一切なし。


1972年式 日産 フェアレディ 240ZG + OS技研 TC24-B1Z

SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア：オールペイント、セミレストア
■エンジン：OS技研TC24-B1Z（L24型ベース）
■吸排気系：ソレックス50PHH、K&Nエアクリーナー、OS技研製等長タコ足（6-1）、φ70㎜ステンレスマフラー
■点火系：OS技研製デスビ、MSD
■冷却系：ラジエーター3層加工、13段オイルクーラー
■駆動系：OS技研製T3AS（特注トリプルメタル＋特注軽量フライホイール）、FS5W71B改
■燃料系：ボッシュ製燃料ポンプ
■サスペンション：スターロード製全長調整式フルタップ車高調、亀有製ウレタンブッシュ
■ブレーキ：（F）プロジェクトμ製ブレーキパッド
■タイヤ：TOYO DRB（F）195/55R15 　（R）205/50R15
■ホイール：ハヤシレーシング（F）15×9J -13　（R）15×9.5J -19
■インテリア： タコメーター加工（10000rpm）、日本精機Defi製メーター（油圧、油温、水温）

【3】に続く

初出：ノスタルジックスピード vol.023　2020年2月号
（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

1983年式 日産 フェアレディ240ZG + OS技研 TC24-B1Z（全4記事）

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