<越中八尾>祭りのあとの静けさから見えてくるもの。風の盆のふるさと、越中八尾へ行ってみた|スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第45回 前編

えんえんと上り坂を走ってやってきた越中八尾の町

       
三味線と胡弓の音色に誘われて、涼しくなってきた風に乗りながら、風の盆のふるさと、越中八尾へ。

【スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第45回 前編】

大貴誠は歌劇時代、よく舞台で民謡を踊ったり歌ったりしたので、今どきの人にしてはお祭りや民謡をいっぱい知ってるし、良さも知ってるほうです。

そんな大貴誠がすごく好きなのが、「越中おわら風の盆」。毎年9月のはじめに行われる、富山市のお祭りです。三味線と胡弓の音に乗って、町の中をゆーっくりと夜中まで踊る……というより舞い流れるのです。

大貴誠は以前、大阪の八尾に住んでいたので(ダジャレじゃないけど)何か運命みたいなものも感じる……!
なので行きました。風の盆が終わった直後に。「え、終わったあとー!?」

はい。祭りのあとの静けさからも何か見えてくる、見つけてくるのがこの旅です! 期間中は人でいっぱいでクルマじゃ動き取れませんし。
忙しくてついルート選択を人任せにしてたら、最速最短ルートで日本アルプス越えの道に入ってしまい、えんえんと上り坂を行くことに……。前に箱根ターンパイクを走ってクルマに大変な思いをさせたというのにまたやってしまった、すみません……。

道中なんとかアクシデントもなく、上高地行きバス停、安曇野という行き先表示、道ばたに突如現れる「卜伝(塚原?)の湯」という丸太小屋の温泉やら、寄り道したいポイントがありすぎる道でしたが、ここはぐっとこらえて、険しい山道をひたすら上り下りまたずーっと上って、八尾にGO。

ついた町は、すごく静かでした。山を吹きわたる心地よい風と、流れる水の音。風の盆が行われる旧町内。歩いて回れるぐらいのこぢんまりしたその一帯に、何万人も見物客が来て、夜通し舞の列が流していても、きっと静かなんではないかと思わせるような空気。

【画像23枚】大貴さんが好きだという「越中おわら風の盆」が行われる町へ。ただし、風の盆が終わった直後に。




八尾の町その1(旧町内)

一日中走って、すっかり暗くなってから八尾の旧町内にある宮田旅館に到着。外観を見ただけでわくわくしちゃいます。こちらの旅館、柴田理恵さんのご親戚だそうで、江戸時代から続く建物が隅々まで手入れが行き届いていて、とても快適。これぞ老舗。風の盆の時期は一年前から予約する人がいるというのも納得。旧町内は、この宮田旅館がしっくりなじむ町並み。石畳敷きで電線もなくした諏訪町の通りは「日本の道百選」に選ばれてます。江戸時代から川と川との尾根に石垣を築いて町を広げたそうで、歩いているとそこここに古い石垣がのぞいているのです。井田川をへだてて外から旧町内を見ると、石垣の上に町が連なっているのがよく分かります。昔は船でここまできて町に上がったんだそうです。






八尾町までの道中

横浜から富山まで、クルマのためを思ってSAやPAで休み休み、10時間ぐらいかけてゆっくり行きました。諏訪湖のSAで五平餅食べたり釜飯食べたりしつつ、どんどん山の中へ。有名な観光地の看板を横目に見つつ、素晴らしい秋晴れ! いわし雲! そびえる山々の景色にうっとり。しかし、平湯温泉のあたりを抜けてから、それほど険しくないけどひたすらずーーっと登り続ける道だったので、レディーバードにはちょっと大変な思いをさせたかもしれません。




初出:ノスタルジックヒーロー 2018年 12月号 Vol.190

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第45回(全2記事)


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後編に続く

text:Rueka Aoki/青木るえかphoto:Rumi Matsusima/松下るみ

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