2週連続の海外ラリー参戦。本人いわく「痛恨のミス」も終わってみれば値千金の3位入賞【8-2】ラリー・モンテカルロ・ヒストリックへの道 Vol 008

横田館長は北イタリアからシチリア島に移動していた

       
ラリー・モンテカルロ・ヒストリックにおける感動的な完走から約8カ月。常に新しいことに挑戦し続ける「伊香保おもちゃと人形 自動車博物館」横田正弘館長が新たに志しているプロジェクトについてお話ししよう。

【 ラリーモンテカルロ・ヒストリックへの道 Vol.8-2】

2018年、人気のレギュラリティーラリーである、グランプレミオ・ヌヴォラーリにエントリーし、さらに一週間後のエトナ・ラリーにも参戦した館長!

エトナ・ラリーは、今年で21回目を迎えたラリーイベント。いささかローカル色が強く、参加車両は約80台。比較的高年式のものが多く、一日あたりの走行距離も少なめ。バカンスの要素の強い優雅なラリーとされている。そんなイベントに、日本の「ラ・フェスタ・ミッレ・ミリア」および「ラ・フェスタ・プリマヴェラ」で堂々の優勝を果たした「日本のカンピオーネ(チャンピオン)」が参戦したことで、現地の新聞などにも取り上げられる大ニュースになったとのことである。

しかし、優雅なイベントとて決して侮ってはなるまい。周囲のエントラントたちも、欧州およびアメリカのイベントを歴戦してきた猛者ぞろい。それでも、やはりオーガナイザー側が用意したレンタカー、1964年型のフィアット1500カブリオレとともにスタートした横田/大木組は、一時は暫定1位となるが、ご本人いわく「痛恨のミス」で後退。とはいえ終わってみれば、まさしく値千金とも言うべき総合3位入賞を果たすことになった。

そして、冒頭で述べた横田館長の新プロジェクトこそ、エトナ・ラリーにまつわるもの。海外イベント経験豊富な館長をして「これまで参加した中でも最高!」と言わしめたホスピタリティーに加えて、参加する仲間たち、あるいはオーガナイザーであるシチリアの人々の温かさにも感銘を受けて、ついにはイベントの日本事務局を引き受けることになってしまったのだ。

来る2019年、9月29日〜10月5日まで開催されるエトナ・ラリーには、おそらく複数の日本人エントラントの姿も見られることになるだろう。もちろん横田館長ご自身もエントリーすることを決意しているのだが、一時はラリー・モンテカルロ・ヒストリークを一緒に走った相棒、ダットサン240Zとともに来年のシチリア島に赴くことも本気で考えたという。

しかし、ここが館長の凄いところである。これまで日本人にとっては前人未到であった国際レギュラリティーラリー総合優勝を狙うため、最もハンディ係数の高い戦前モデル、1923年型フィアット501Sを日本から持ち込み、本気で「勝ちにいく」とのこと。今後も絶対に目が離せないのである。

【画像12枚】美しきシチリアで開催される優雅なラリー。しかし侮るなかれ、歴戦の猛者も参戦するイベントだ。


>>参加車両は約80台。比較的高年式のものが多く、一日あたりの走行距離も少なめ。


>>「エトナ・ラリー」に、日本人としては史上2組目となるエントリーを果たす。



横田正弘さん

言わずと知れた伊香保「おもちゃと人形 自動車博物館」館長にして、「スプレンドーレ」系イベントの主宰者。また自身も世界中のラリーで活躍するなど、日本旧車界を代表する一人。今季はこのS30フェアレディ240Zとともに、ラリーモンテカルロ・ヒストリークに挑戦した。




【1】から続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年12月号 vol.190
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ラリーモンテカルロ・ヒストリックへの道 Vol 008(全2記事)

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text & photo:HIROMI TAKEDA/武田公実 photo:KEIGO YAMAMOTO/山本圭吾

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