「日常使いで乗っていてこれほど楽しいクルマはない」オーナー自らレストアを行った一台|1972年式 スズキ フロンテ クーペ GXF【3】

リアフェンダーにはアウトレットを配置。やはり熱を逃がす工夫を凝らした作り

       
【2】から続く

【サブロク紳士録 1972年式 スズキ フロンテ クーペ GXF vol.3】

その後、自宅のガレージまで持って帰ってからは、ラジエーターなどの冷却系やブレーキ回り、電装系、燃料系統のオーバーホールを実施。オーナーは小さい頃から自分でものを作るのが好きだったため、レストアのほとんどを自分で実施したというから驚きだ。

「だから費用は部品代のみでした。トータルで15万円ぐらいです。ギリギリなパーツも多かったですが、好きなクルマのことなのでとくに大変とは思いませんでしたね。基本的にはオリジナル重視ですが、いじった個所では点火系のセミトランジスター化やウインカー類の自作LED化などです」

そうして現在の素晴らしい状態に仕上げたフロンテクーペ。オーナーはその魅力についてこう語ってくれた。

「クルマ好きな自分の生活にスパイスを与えてくれた刺激的な軽自動車です。日常使いで乗っていてこれほど楽しいクルマはないですね」

【画像21枚】オーナー自らレストアを行ったという一台は生活にスパイスを与えてくれる刺激的な軽自動車


>>水冷2サイクル直列3気筒のLC10W型エンジンは、リア側に搭載されている。オーバーホールを施してきれいな状態を維持しており、点火系はセミトラ化して信頼性を上げ、効率化を図った。



>>スリットを採用して空気の流れをよくしたリアのエンジンリッド。

owner’s voice

783台しか生産されなかった幌タイプの81年式ジムニーと200台限定の93年式カプチーノリミテッドⅠ、2012年式のMRワゴンなども所有している生粋のスズキマニア。「そのなかでも一番楽しいクルマがフロンテクーペ。末長く大事に乗っていきます」





1972年式 スズキ フロンテ クーペ GXF

全長2995mm
全幅1295mm
全高1200mm
ホイールベース2010mm
車両重量480kg
エンジン型式/種類LC10W型/水冷2サイクル直列3気筒
総排気量356cc
最高出力(ps/rpm)37/6500
最大トルク(kg-m/rpm)4.2/4500
サスペンション前/後コイルスプリングウイッシュボーン独立/コイルスプリングセミトレーリングアーム独立
ブレーキ前/後ツーリーディング/リーディング・トレーリング
発売当時価格46万円


【1】【2】から続く


初出:ノスタルジックヒーロー 2019年2月号 vol.192
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1972年式 スズキ フロンテ クーペ GXF(全3記事)


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photo:RyotaSato/佐藤亮太

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