発売当時のルノー最高価格車らしい設え。ラリーでの活躍も著しいマシン|1993年式 ルノー 5 ターボ【3】

イタリア工業デザインの巨匠、日本でも数多くの名建築を手掛けたマリオ・ベリーニのデザインしたインテリア。計器盤やステアリング、バケットシートに至るまでアバンギャルド感がみなぎるのは、5ターボ1の特権

2BOX小型車のリアミッドシップに、ハイチューンのエンジンを搭載するという「コロンブスの卵」的着想のパイオニア。のちのシャレード・デ・トマゾ926Rなどのフォロワーを生み出した、「公道を走るシルエットフォーミュラ」を紹介しよう。

【ハチマルユーロー 1993年式 ルノー 5 ターボ Vol.3】

【2】から続く

 一方、2シーターとなったインテリアは、イタリアの工業デザインの巨匠、マリオ・ベリーニによるアバンギャルド的デザインのダッシュボードとシートが与えられ、発売当時のルノー最高価格車にふさわしい、スーパーカーさながらの設えとされたのである。

 また、本来の目的であるラリーには、FIAグループ4のホモロゲートを受けた翌年、1980年シーズンの「ツール・ド・コルス」でWRCデビュー。そして翌1981年のモンテカルロラリーでは「曲芸師」の愛称とともに日本でも人気の高い J・ラニョッティの操縦で、初の総合優勝を果たす。

 その後4WDが中心となる「グループB」となると、やや劣勢を強いられつつも、エボリューションモデルの「サンクMAXIターボ」に移行し、1986年シーズンまで活躍した。


>> 【画像23枚】ハッチゲートを開くと現れるエンジンフード上に装備される、作り付けのツールBOXなど




>> ドアのインナーにも、カラフルな装いが施される。


1993年式 ルノー 5 ターボ

SPECIFICATIONS 諸元
●全長×全幅×全高(mm) 3665×1750×1360
●ホイールベース(mm) 2405
●トレッド(mm) 1350/1320(前/後)
●車両重量(kg) 920
●エンジン種類 水冷直列4気筒OHVターボ
●総排気量(cc) 1397
●最高出力(ps/rpm) 160/6000
●最大トルク(kg-m/rpm) 21.4/3250
●サスペンション 前ダブルウイッシュボーン+トーションバー
後ダブルウイッシュボーン+コイル
●ステアリング ラック&ピニオン
●ブレーキ 前後ともディスク
●タイヤサイズ 前190/55HR340/後220/55VR365


【4】に続く


初出:ハチマルヒーロー 2016年 9月号 vol.37
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1993年式 ルノー 5 ターボ(全4記事)

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【1】【2】から続く

text : HIROMI TAKEDA/武田公実 photo : MOTOSUKE FUJII/藤井元輔

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