しかも前期型XGのサンライズレッド! 広島でさえもほとんど見かけない、自走可能なBDファミリア【3】1982年式 マツダ ファミリア XG

現在でもクルマの売り文句の1つとなっているフルフラットになるシートアレンジ。1980年当時もちゃんとあったのだ(1960年代からある)。

1980年代中期、赤いハッチバックが世の中にあふれかえった。そうBDファミリアの登場である。日本中を席巻した陸サーファーといわれたナンパな若者のイメージがあるが、実は安くて小さくて荷物が載せられる優れもののクルマでもあった。

【1982年式 マツダ ファミリア XG Vol.3】

【2】から続く

 ファミリアを探し始めて5年ほどたった頃、とある販売店でファミリアXGを発見。極上車というふれこみだったが写真を見ただけでもかなりヤレている状態と分かる。それでも、この機会を逃したら前期型XGのサンライズレッドは二度と市場に出てこない可能性が高く、現車確認もせずに購入に至った。

 しかしここからが大変だった。クルマは予想以上に純正部品が手に入り、簡単にキレイな状態になったのだが、マツダファンミーティングの展示車両に選ばれ、英国BBCの番組でJames Mayのインタビューを受け、初めて参加した門司港ネオクラでグランプリを獲得。そして本誌の取材と、購入からわずか9カ月の間にいろいろな出来事が起きてしまったのだ。

 もともとマツダロータリ―車オーナーとして有名人のオーナー。しかし1台のクルマでこれだけのことが起きたのは初めてとのこと。

 そんな幸運(?)なクルマを手に入れたオーナーは、1980年代の若者のように軟派なクルマ仕様にすることなく、新車時のままの状態を維持。現在、広島でもほとんど見ることがなく、マツダミュージアムにすらない「走ることのできる」BDファミリアとして、大事に乗っていきたいと考えているという。


>> 【画像19枚】すべて純正のまま。長年車庫保管されていたため、ボディの退色もなくキレイな状態の外装など。もちろんオールペイントもしていない





>> ウインドーが広いため光が多く入り、広く感じるキャビン。



OWNER’S VOICE

実は奥様に内緒で購入したBDファミリア。そのためしばらくの間、不機嫌だったそうだが、今では仲良くイベントに参加。今後は当時の純正オプション品を揃えようと画策しているとのことだ。




1982年式 マツダ ファミリア XG

SPECIFICATIONS 諸元
●全長×全幅×全高(mm) 3955×1630×1375
●室内長×室内幅×室内高(mm) 1705×1310×1115
●ホイールベース(mm) 2365
●トレッド(mm) 1390/1395
●車両重量(kg) 825
●エンジン型式 E5型
●エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
●総排気量(cc) 1490
●最高出力(ps/rpm)85/5500
●最大トルク(kg-m/rpm) 12.3/3500
●ボア×ストローク(mm) 77.0×80.0
●圧縮比 9.0:1
●変速比 1速3.416/2速1.842/3速1.290/4速0.918/5速0.775/後退3.214
●最終減速比 3.850
●ステアリング形式 ラック&ピニオン式
●サスペンション前/後 ストラット式独立懸架
●ブレーキ 前油圧式ディスク/後油圧式ドラム
●タイヤサイズ 前後とも175/70SR13
●発売当時価格 108.4万円


初出:ハチマルヒーロー 2016年 9月号 vol.37
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1982年式 マツダ ファミリア XG(全3記事)

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【1】【2】から続く

text:HACHIMARU HERO/編集部 photo:YOSHITAKA TAKAHARA/高原義卓

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