フェンダーミラーの前期型、赤いハッチバック【1】1982年式 マツダ ファミリア XG

フロントグリルに付けられているエンブレムはディーラーで配っていたファミリア生産100万台記念エンブレム。現車には付いていなかったが友人から譲られ取り付けた。

       
1980年代中期、赤いハッチバックが世の中にあふれかえった。そうBDファミリアの登場である。日本中を席巻した陸サーファーといわれたナンパな若者のイメージがあるが、実は安くて小さくて荷物が載せられる優れもののクルマでもあった。

【1982年式 マツダ ファミリア XG Vol.1】

「クルマ買ったの」と体をくねくねさせながら男の子たちの会話に入ってくる女の子。男の子たちは一斉に「何を買ってもらったの」と尋ねるが女の子は分かんな〜いの一点張り。しびれを切らした男の子の1人が何色でどんな形? と聞くとパッと笑顔になった女の子は言うのだ「赤のハッチバック」と。

 日本がバブル期に突入する前夜。日本は本当に浮かれていた。そして確実に若者が文化だけでなく経済を担っていた。いつの時代も同じように女性の時代の到来が叫ばれ、流行はいつも彼女たちが連れて来た。

 大ヒットしたBDファミリアも同じ。最初に目を付けたのは女の子。彼女たちがはじめて自分の意思で選んだクルマがこのファミリアだった。そんな女の子を見た男の子は、もうケンメリやジャパンに乗って硬派を気取る時代じゃなくなったことを知る。

>> 【画像19枚】前期型の特徴でもあるフェンダーミラーなど。当時ドアミラーに変更する人が多く、そのまま残っているのは希少





>> 外装はすべて純正のまま。長年車庫保管されていたため、ボディの退色もなくキレイな状態。もちろんオールペイントもしていない。



1982年式 マツダ ファミリア XG

SPECIFICATIONS 諸元
●全長×全幅×全高(mm) 3955×1630×1375
●室内長×室内幅×室内高(mm) 1705×1310×1115
●ホイールベース(mm) 2365
●トレッド(mm) 1390/1395
●車両重量(kg) 825
●エンジン型式 E5型
●エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
●総排気量(cc) 1490
●最高出力(ps/rpm)85/5500
●最大トルク(kg-m/rpm) 12.3/3500
●ボア×ストローク(mm) 77.0×80.0
●圧縮比 9.0:1
●変速比 1速3.416/2速1.842/3速1.290/4速0.918/5速0.775/後退3.214
●最終減速比 3.850
●ステアリング形式 ラック&ピニオン式
●サスペンション前/後 ストラット式独立懸架
●ブレーキ 前油圧式ディスク/後油圧式ドラム
●タイヤサイズ 前後とも175/70SR13
●発売当時価格 108.4万円


【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 9月号 vol.37
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1982年式 マツダ ファミリア XG(全3記事)

関連記事:マツダ

text:HACHIMARU HERO/編集部 photo:YOSHITAKA TAKAHARA/高原義卓

RECOMMENDED

RELATED

RANKING