まともな状態で残っている個体がほとんどない! 若者の象徴だったファミリア【2】1982年式 マツダ ファミリア XG

赤いハッチバック

1980年代中期、赤いハッチバックが世の中にあふれかえった。そうBDファミリアの登場である。日本中を席巻した陸サーファーといわれたナンパな若者のイメージがあるが、実は安くて小さくて荷物が載せられる優れもののクルマでもあった。

【1982年式 マツダ ファミリア XG Vol.2】

【1】から続く

 クルマはナンパの道具と割り切った男の子たちは女の子が好きそうなアイテム(本当に好きかどうかは疑問)をクルマに詰め込み、最終的には一度たりとも使ったことのない最大級のナンパアイテム、サーフボードをルーフに設置した。そう陸サーファーの誕生である(ここは往年のTV番組「カノッサの屈辱」での仲谷昇さんのナレーションをイメージして読んでほしい)。

 ひとつの流行を作ったBDファミリアは発売から2年後の1982年7月には生産台数100万台を突破。この時代を代表するクルマとなったのだった。

 当時としては珍しい3ドアと5ドアのハッチバックのみの設定。価格も安く、女性を意識したCM戦略など、最初からターゲットをハッキリさせたブレのない販売戦略の効果テキメンといったところ。

 オーナーはマツダ旧車クラブに所属。マツダミュージアムにスポーツカーは揃っているが、大衆車代表のファミリアが不動車しか置かれていない状況に不満を感じて、探し始めた。どうせならと自身が小学校5年生当時に父親が乗っていた同型車を探そうと考えたが、あれだけ売れたファミリアなのに、まともな状態で残っている個体がほとんどない状態にあることを知る。


>> 【画像19枚】意外に収納力のあるカーゴルーム内。リアゲートトリムに取り付けられた純正スピーカーなど



>> 外装もキレイな状態だったが、内装はよりキレイで新車時の匂いすらしてきそうだ。





>> シフトパターンも消えることなく残っているシフトノブ。


1982年式 マツダ ファミリア XG

SPECIFICATIONS 諸元
●全長×全幅×全高(mm) 3955×1630×1375
●室内長×室内幅×室内高(mm) 1705×1310×1115
●ホイールベース(mm) 2365
●トレッド(mm) 1390/1395
●車両重量(kg) 825
●エンジン型式 E5型
●エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
●総排気量(cc) 1490
●最高出力(ps/rpm)85/5500
●最大トルク(kg-m/rpm) 12.3/3500
●ボア×ストローク(mm) 77.0×80.0
●圧縮比 9.0:1
●変速比 1速3.416/2速1.842/3速1.290/4速0.918/5速0.775/後退3.214
●最終減速比 3.850
●ステアリング形式 ラック&ピニオン式
●サスペンション前/後 ストラット式独立懸架
●ブレーキ 前油圧式ディスク/後油圧式ドラム
●タイヤサイズ 前後とも175/70SR13
●発売当時価格 108.4万円


【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 9月号 vol.37
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1982年式 マツダ ファミリア XG(全3記事)

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【1】から続く

text:HACHIMARU HERO/編集部 photo:YOSHITAKA TAKAHARA/高原義卓

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