フロントよりも作りがしっかりしているであろうリアシートをもつソブリンVIP|1987年式 日産 プレジデント ソブリン VIP【3】

長らく日産のフラッグシップとして君臨していたプレジデント

プレジデントという名前は日産にとって特別な意味を持つ。その意味からも特別な人のために作られたクルマ。そして長らく日産のラインナップの頂点に君臨していたものだ。そんな特別なクルマを詳細に紹介しよう。

【1987年式 日産 プレジデント ソブリン VIP Vol.3】

【2】から続く

 そんなプレジデントのオーナーは、材木問屋から建築までを行う総合建設業を経営。
 子供の頃からスポーツカーよりもセダン好きで、Y31セドリック、130クラウン、10、20セルシオなどを長く乗り継いできた。セダンを乗ってきて考えたのが最高のセダンを味わってみたいということ。日産好きのオーナーが想い描くのはもちろんフラッグシップとして君臨してきたプレジデント。

 しかし探したからといって出てくるようなクルマではない。そんな中、同じ四国内で旧車を取り扱うショップ「アスリート・1」に入庫したという連絡が入る。基本的にプレジデントは特別な場所で使われるクルマ。このクルマも阪急グループ関連の会社が管理していたものということで期待に胸を膨らませて確認に行くと、想像以上の素晴らしいコンデション。持っていた2台のY31を下取りに出し、即購入。

 問題はY31のように情報が多くない事。そんなプレジデントのことを調べる姿もまたうれしそうなオーナーだった。

>> 【画像24枚】当然ながらフロントよりも作りがしっかりしているであろうリアシートなど。肘掛け部分にはエアコンなどのコントロールスイッチがある。ハーフカバーは純正オプション



>> V型8気筒OHV、排気量4414ccのY44型エンジン。オーナーの言葉通り走りは滑らかで、レクサス以上というのもうなずける。今後は不安のある燃料ポンプ、オルタネーター、デスビなどの交換を行う予定とのことだ。






OWNER’S VOICE

奥さまはY31を2台も下取りに出したことで実質的に旧車が減り喜んでいるとのこと。クルマ好きの息子はクルマ自体には悪い感情を持っていないが、学校のお迎えには使わないでくれと懇願されているとのこと。さすがにこのクルマが学校に入って行ったら怖いですよね、とオーナー。


1987年式 日産 プレジデント ソブリンVIP

SPECIFICATIONS  諸元
●全長×全幅×全高(mm) 5280×1830×1480
●室内長×室内幅×室内高(mm) 1935×1510×1140
●ホイールベース(mm) 2850
●トレッド(mm) 1495/1490
●車両重量(kg) 1915
●エンジン型式 Y44型
●エンジン種類 V型8気筒OHV
●総排気量(cc) 4414
●最高出力(ps/rpm) 200/4800
●最大トルク(kg-m/rpm) 34.5/3200
●ボア×ストローク(mm) 92.0×83.0
●圧縮比 8.6:1
●変速比 1速2.458/2速1.458
3速1.000/後退2.182
●最終減速比 3.364
●ステアリング形式 パワーアシスト付きラック&ピニオン
●サスペンション前 ダブルウイッシュボーン
●サスペンション後 パナールロッド付4リンク+コイルスプリング
●ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク
後リーディングトレーディング
●タイヤサイズ 前後とも7.75S-14 4PR
●発売当時価格 506.2万円




初出:ハチマルヒーロー 2016年 9月号 vol.37
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1987年式 日産 プレジデント ソブリン VIP(全3記事)

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【1】【2】から続く

text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:AKIO HIRANO/平野 陽

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