雨のち晴れ、大盛況となった2018 第1戦、観衆を沸かせたTS-CUPの白熱大バトル!【1】JCCAクラシックカーフェスティバル 富士ジャンボリー 2018

ヒストリックカーを現代の最新技術で走らせるTS-CUP

       
【JCCAクラシックカーフェスティバル 富士ジャンボリー 2018 Vol.1 イベント振り返り】

今年もJCCAのヒストリックカーレースシリーズ「クラシックカーフェスティバル」が4月15日に富士スピードウェイで開催された。
 コース幅が広く、また直線の長い富士スピードウェイでの開催で、往年の日本グランプリを再現する「ヒストリックグランプリ」が組み込まれ、エントラントの間では高い人気を集めるイベントだ。

 ちなみに、例年は年3回開催(富士1戦、筑波2戦)となる同シリーズだが、今シーズンは7月の筑波戦が組まれず、4月の富士戦と60分耐久が組み込まれた10月の筑波戦による、年2回の開催予定となっている。

 今回の富士戦は、このイベントだけの特別レースとなるヒストリックグランプリに、ヒストリックカーファンの趣味色が強いS、Pレース、ヒストリックカーを現代の最新技術で走らせるTS、Fレース、そしてF2/F3を中心とするヒストリックフォーミュラレース、および日本独自の車両規格である軽自動車のパワートレーン系を使った軽フォーミュラのFLレースと、合計7カテゴリーによるにぎやかなイベント構成で開催された。

 さすがに、コース幅が広く、直線の長い富士スピードウェイが舞台とあって、各クラスともエントラント台数は多く、最多を数えたSクラスは34台(実際の出走は32台)のエントラントを集めていた。

 一方、やや寂しい顔ぶれとなったのはヒストリックグランプリ。ローラT70や904/906/910といった日本のモーターレーシングに大きな影響を与えた歴代ポルシェの姿がなく、主役級を欠いたという印象は拭えず、エントリーも9台(出走は8台)という内容だった。

 ただ、メンテナンスに大きなリスクを負う車両も少なくないだけに、持ち主であるオーナーの立場もよく理解できる。ファンの立場からはその勇姿を見たいが、実情を考えると痛し痒しといったところなのである。

 今年は、予選時まで雨にたたられたものの、決勝が始まるお昼前には路面コンディションが回復。全レースとも思う存分の走りが披露された。
 なお、Aパドックの1コーナー寄りのスペースでは「クラシックサニーミーティング」が開かれ、B10/110/210/310と歴代サニーの各モデルが一堂に会し、ノスタルジックカーファンには見逃せない顔ぶれが勢揃い。レース取材の合間にしばし足を止める事態となっていた。


>> 【画像49枚】各レースの走行や、広いパドックの一角で、開催されたクラシックサニーミーティングのようすなど

TS-CUP

トップ5台による激しいトップ争い、激烈な戦いを制したのは影山正彦 



 かつてのTSレース、マイナーツーリング(MT)さながらのレース展開となったのがTS-CUPだ。影山正彦、影山正美、菊地靖、羽根幸広、佐藤晃一らの数台が激しいトップ争いを繰り広げ、最終ラップの最終コーナーを回ってくるまで順位は分からないという、MTの面白さ、迫力満載のレースを展開した。まだ雨足がわずかに残る予選でポールポジションを獲得したのは影山正彦。2番手影山正美に1秒以上の差をつけ独走だった。以下、雨宮、菊地、関、羽根が続くが、けっこうタイム差は開いていた。しかし、完全ドライとなった決勝は、影山兄弟が交互にトップに立ち、その真後ろに佐藤、菊地、羽根がつける展開。結局、最終ラップをうまく処理した正彦がトップでチェッカーを受け、正美をかわした菊地が2番手を確保した。





F RACE

フェアレディZ3台がトップ3を形成、小排気量での健闘が光った見並サニー



 15台のエントリーがあったFレースは3台が欠場。12台で行われた予選でポールポジョンを獲得したのは関井太郎のフェアレディ240Z。これにわずか1000分の19秒差で伊藤俊哉の240Zが続く超僅差の展開。以下、石井雅章(S31)、見並秀文(B110)、原敬一(H510)の順。決勝は、やはりパワーで勝る3台のZが周回ごとに後続を引き離す展開。なかでも今回が実質のデビュー戦となる石井のオカザキスピードTC24Zは、DOHCヘッドに換装した3.2L仕様で直線スピードは抜群。スタートで出遅れるものの終盤には一時トップに立つ健闘も。勝ったのは最終ラップで石井をかわした伊藤のZ。3番手でチェッカーを受けた関井がペナルティで失格となり、それぞれ見並サニー、鴻上ブルーバードが繰り上がって3、4位となった。





【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年8月号 Vol.188
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

JCCAクラシックカーフェスティバル 富士ジャンボリー 2018(全3記事)


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text : AKIHIKO OUCHI/大内明彦 photo : MASAMI SATO/佐藤正巳、AKIHIKO OUCHI/大内明彦、KOICHI SHIROMA/城間孝一

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